フィデリティ・世界割安成長株投信は愛称が「テンバガーハンター」ですので、スゴク儲かるのでは?と非常に気になる投資信託ですよね。
果たして本当に儲かるのか?テンバガーハンターの口コミや評価・評判はどうなっているのか?分析して解説していきます。
フィデリティ・世界割安成長株投信(テンバガーハンター)への投資を検討している方はぜひ参考にしてみて下さい。
別記事でも投資信託について解説していますので気になる方はそちらもあわせてお読みください。
フィデリティ・世界割安成長株投信はどんなファンド?
フィデリティ・世界割安成長株投信の基本コンセプト
さぁまずはフィデリティ・世界割安成長株投信(テンバガーハンター)がどんな投資信託なのかからチェックしていきましょう。
テンバガーとは、元々は野球において1試合で10塁打をあげることを指します。ここから転じて、株価が10倍になると期待される銘柄をテンバガーと呼ぶようになりました。
つまり、株価が10倍に成長していくような銘柄を発掘して投資していこう!というのがフィデリティ・世界割安成長株投信(テンバガーハンター)の基本コンセプトとなります。
フィデリティ・世界割安成長株投信の運用戦略
それでは、テンバガーを達成するためにどのような戦略で運用していくのでしょうか。
テンバガーを達成するために株価が実際の企業の価値より安く、さらに会社としても今後の成長が見込まれる「割安成長株」に投資していきます。
出典:フィデリティ投信
株価が成長していくためには二つの要素があります。その要素とはこちらです!
株価上昇 = 利益成長 × PER上昇(人気上昇)
一つ目は利益成長です。これはイメージしやすいですよね。単純に利益が2倍になれば株価が2倍になってもおかしくありません。
二つ目はPER上昇です。PERとは株価の割安度を測る指標で次のように表されます。
PER = 株価 / 一株当たり純利益
これは感覚的には人気と思ってもらっていいと思います。同じ利益を上げている企業でも人気がある企業の方が株価が高いですし、人気がなければ株価が安いです。
なので、本当は今後の成長力に期待できる銘柄だけども、注目度が低くまだ人気がない銘柄に投資します。
そして、こういった企業が利益を増やすと、注目度が高まり皆が良い企業だと気づいてどんどん人気も上昇し株価も上がっていきます。
フィデリティ・世界割安成長株投信の4つのコース
個人的にはフィデリティ・世界割安成長株投信(テンバガーハンター)の運用戦略は非常に良いと思います。
そして、フィデリティ・世界割安成長株投信(テンバガーハンター)には4つのコースがあります。
フィデリティ・世界割安成長株投信の選べる4コース
- Aコース(為替ヘッジあり)
- Bコース(為替ヘッジなし)
- Cコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジあり)
- Dコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)
為替ヘッジの有無と分配金の有無ですね。
他の記事でも再三述べていますが、分配金を出す投資信託は運用効率の多大な悪化を招くため論外です。
為替ヘッジもコストが高く、為替リスクを受け入れられないようであればそもそも海外の資産に投資する必要もないでしょう。
そういう訳でこの中から選ぶのであれば、為替ヘッジ・分配金なしのBコースが一番いいと思います。
フィデリティ・世界割安成長株投信はNISA運用できる?
さて、これらのファンドはNISAに対応しているのでしょうか。
調べてみるとAコースとBコースのみNISAの成長枠投資に対応しています。
NISAの成長枠投資対応
- Aコース(為替ヘッジあり)
- Bコース(為替ヘッジなし)
CコースとDコースはNISAに対応していませんし、AコースとBコースであってもつみたて投資には対応していません。
NISAでの運用を検討中の方は、注意するようにしてください。
テンバガーハンターの掲示板での口コミや評価・評判は?
続いて、テンバガーハンターの掲示板での口コミや評価・評判はどうなっているのでしょうか。
実際に投資している人の口コミも見れるYahoo掲示板を見てみましょう。
フィデリティ・世界割安成長株投信Aコースの掲示板での口コミ・評価・評判
まずはAコースについての口コミです。
出典:Yahooファイナンス
Aコースは為替ヘッジありですので、投資している米国株の株価が上がることに期待するしかありません。
利下げが始まれば株価も上がっていくのでは?という期待感を込めてのコメントですね。
結果論ですが、近年の円安のメリットを受けられてないわけです。
続いてのコメントはこちらです。
出典:Yahooファイナンス
たまに把握してない人がいますが、為替ヘッジをかけるには当然コストがかかります。
一般的には両国の金利差程度がかかりますので決して安くはありません。
信託報酬+ヘッジコストと多大なコストをかけて運用するのはかなり不利になりますので、この口コミの通りやらない方が賢明だと言えるでしょう。
フィデリティ・世界割安成長株投信Bコースの掲示板での口コミ・評価・評判
続いてはBコースに関する口コミです。
出典:Yahooファイナンス
米国株の急成長において、グロースの大手IT株が果たしている役割は大きいです。
それらとやや役割を分けたフィデリティ・世界割安成長株投信にすることでポートフォリオを安定させられるのではという評価ですね。
フィデリティ割安成長株投信を成長していくタイプの銘柄群というよりは、割安タイプの銘柄群とみなした口コミとなっています。
一理あるようにも思えますが、続いての口コミもみてみましょう。
出典:Yahooファイナンス
銘柄数が535というのはアクティブファンドにしてはすごく多いですね。
これだけ投資対象が多いと、基本コンセプトであるテンバガー達成など、ほぼ不可能なのではと思ってしまいます。
分散投資をすればするほど、インデックス投資に近くなっていきますし、それなら初めから手数料の安いインデックスファンドを買えばいいですよね。
この方の言う通り、アクティブファンドであるなら運用戦略にのっとって、もっと絞り込んだ銘柄に投資していくべきだと思います。
フィデリティ・世界割安成長株投信Cコースの掲示板での口コミ・評価・評判
さぁ続いてはCコースなのですが、、、
何と口コミがありませんでした!
純資産額も50億円程度ですし、運用している人も少ないので過疎っているのも仕方ないかもしれません。
やはり、「分配型」かつ「為替ヘッジあり」と運用に不利な条件の合わせ技ですから人気がないのも納得ですね!
フィデリティ・世界割安成長株投信Dコースの掲示板での口コミ・評価・評判
最後はDコースに関する口コミです。
出典:Yahooファイナンス
分配金が出たことを喜ぶ口コミですね。
他にも書き込みが見られましたが、基本的に分配金に関するコメントが多く見られました。
Dコースを選ぶ人は配当金目当てで購入していると言えそうです。
全体を通して見るとフィデリティ・世界割安成長株投信の評判はまずまずといった印象です。
ちなみに、世間的な評価としてはフィデリティ・世界割安成長株投信Bコースが「モーニングスターアワード ファンド オブ ザ イヤー2021」を受賞しています。
Bコースに関しては世間からの評価も悪くないと言えるでしょう。
テンバガーハンターの手数料とは
さぁここで手数料についてもチェックしておきましょう。
同様に世界の株式で運用する投資信託と比較してみます。
インベスコ世界厳選株式オープン | アムンディ・グローバル・ストラテジー株式ファンド | フィデリティ・世界割安成長株投信 | |
購入時手数料 | 最大3.3% | 最大3.3% | 最大3.3% |
信託報酬(実質) | 年率1.903% | 年率1.97-2.47% | 年率1.68% |
解約手数料 | 0.3% | なし | なし |
購入時手数料は同じですが、信託報酬と解約手数料は若干違いますね。
フィデリティ・世界割安成長株投信の信託報酬は0.3%程度安くなっており、解約手数料もかかりません。
大きく変わるわけではありませんが、フィデリティ・世界割安成長株投信の手数料はやや安いと言えそうです。
テンバガーハンターの投資先銘柄を分析
それでは、いよいよ実際にどんな銘柄に投資しているのか見ていきましょう。
組入れ上位10銘柄はこちらです。
銘柄 | 国 | 業種 | 比率 |
PG&E | アメリカ | 公益事業 | 1.2% |
ウェルズ・ファーゴ | アメリカ | 金融 | 1.2% |
ユナイテッドヘルス・グループ | アメリカ | ヘルスケア | 0.9% |
シーゲート・テクノロジーHD | アイルランド | 情報技術 | 0.9% |
トタルエナジーズ | フランス | エネルギー | 0.9% |
オビンティブ | アメリカ | エネルギー | 0.7% |
アリマンタシォン・クシュタール | カナダ | 生活必需品 | 0.7% |
シグナ・グループ | アメリカ | ヘルスケア | 0.7% |
コアペイ | アメリカ | 金融 | 0.7% |
ジョーンズラングラサール | アメリカ | 不動産 | 0.7% |
10銘柄合計:8.5%
組入銘柄数:540
1位のPG&Eはアメリカで天然ガスや電力を供給する事業をしている会社です。ただ、ここで注目すべきは具体的な銘柄動向よりも、組入れ銘柄数の多さではないでしょうか。
540もの企業に投資しており、上位10銘柄でも1%程度の比率で、10銘柄足してもわずか8.5%にしかなりません。
まるでインデックスファンドのような構成ですね。超分散投資をするなら手数料がずっと安いインデックスファンドに投資すればいい話です。
アクティブファンドとして、確固たる運用戦略をもって高い手数料を取りながらより良い運用成績を目指すのであれば、もっと組入れ銘柄を絞るべきだと言えるでしょう。
テンバガーハンターの気になる運用成績とは
設定来の運用成績
ではこのような運用を行った結果、運用成績はどうなっているのか確認していきましょう。
出典:月次レポート
設定来の運用成績はこちらです。順調に右肩上がりで成長していますね。
ただ設定した時期が2020年3月とちょうど株式相場が上がっていった時期となっていますね。
これだけではフィデリティ・世界割安成長株投信のポートフォリオが特に優れていたのかよく分かりません。
マーケット全体と比較してみましょう。
マーケットと比較する
フィデリティ・世界割安成長株投信は米国をはじめとして全世界の株式で運用する投資信託です。
世界株と米国株、日本株の代表的なインデックスと比較してみましょう。
- フィデリティ・世界割安成長株投信:51.1%
- MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス:53.76%
- S&P500:68.03%
- TOPIX:23.68%
日本株のTOPIXよりはいい運用成績となっていますが、米国株のS&P500には大きく負けていますね。
世界株のMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスとは概ね似たような動きをしていますが、わずかに負けています。
やはり銘柄数を大きくし過ぎて、インデックスファンドと似たような推移となっていますね。さらに、運用成績も負けていますのでわざわざ高い手数料を払ってフィデリティ・世界割安成長株投信を選ぶ理由はないと言えそうです。
世の中にファンドは数えきれないほどあります。
私が個人的に調査して良いと思ったファンドは下記のランキング記事で紹介していますので投資先をお探しお方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。