NISAやつみたてNISAでセゾン投信を検討している人も多いのではないでしょうか。
NISAに限らずセゾン投信での資産運用を検討している人もいると思います。
色々気になる人も多いと思います。今回はセゾン投信の評判や利回り、今後の見通しについて徹底的に分析していきます。
他にも投資信託の分析をしていますので気になる方はそちらも合わせてご覧ください。
セゾン投信とは?
セゾン投信の基本情報
それではまずセゾン投信がどんな投資信託なのか、基本情報から確認していきましょう。
会社名 | セゾン投信株式会社 |
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英文表記 | SAISON ASSET MANAGEMENT CO., LTD. |
会社設立 | 2006年6月12日 |
資本金 | 1,000百万円 |
本社 | 〒170-6048 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 48階 |
代表取締役社長CEO兼COO | 園部鷹博 |
株主 | 株式会社クレディセゾン(60%)日本郵便株式会社(40%) |
事業内容 | 投資信託の設定、運用ならびに販売 |
登録番号 | 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第349号 |
加入協会 | 一般社団法人 投資信託協会 |
「セゾン投信」とは会社名です。本社は池袋にありますね。
株主を見るとクレジットカード会社のクレディセゾンが60%、日本郵便が40%となっています。
日本郵便と聞くとかんぽ生命保険の不正販売問題が思い出されますね。保険料を二重に払わせるなどの行為により金融庁から行政処分を受けていましたが、セゾン投信は大丈夫でしょうか。
かんぽ生命に限らず銀行やファイナンシャルプランナーなども盲目的に信じて1000万~といった大金を言う通りにしてしまうと痛い目を見ますので注意して下さい。
まとまったお金の安全な資産運用については別記事で解説しています。大きなお金の資産運用を検討している方はぜひ参考にしてみて下さい。
セゾン投信の取り扱いファンドとは?
セゾン投信で販売されているファンドは3つです。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- セゾン資産形成の達人ファンド
- セゾン共創日本ファンド
出典:セゾン投信HP
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは世界の株式と債券に分散投資するインデックスファンドです。
セゾン資産形成の達人ファンドは、長期的な視点で個別銘柄の調査を行うファンドへの投資を通じて世界の株式に分散投資します。
セゾン共創日本ファンドは、長期間の保有を前提として20~30銘柄に日本株100%で投資を行います。
セゾン共創日本ファンドは2022年2月に設定されたばかりでまだ実績があまりない為、本記事ではその他2つのファンド詳細について見ていきます。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとは
ファンドの特徴
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの主な特徴は4つです。
- 資産配分比率は株式50%、債券50%
- 国際分散投資
- 低コストのインデックスファンドに投資
- 原則として、為替ヘッジは行わない
株式と債券に50%ずつ分散投資するファンドとなっていてその投資対象は全世界です。
これを実現するためにバンガード社の提供する各インデックスファンドに投資することで運用を行っています。
出典:交付目論見書
バンガード社のインデックスファンドがずらっと並んでいますね。インデックスファンドはそもそも一つ一つが分散投資ですし、それらインデックスファンドを組み合わせていますので正に超分散投資となっています。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの手数料とは
続いて気になる手数料についても確認しておきましょう。同じくバンガード社のファンドに投資する「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と比較してみましょう。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | |
購入時手数料 | なし | なし |
信託報酬 | 年0.57%±0.02%程度 | 年0.0938%(税込)程度 |
信託財産留保額 | 基準価格に0.1%の率を乗じた額 | なし |
購入時手数料は両者ともなしですが、信託財産留保額(=解約時の手数料)はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドだけかかります。
さらに信託報酬を比較するとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドはSBI・V・S&P500インデックス・ファンドの6倍以上と非常に手数料が高いことが分かります。
さらに、投資先のバンガード社のファンドの手数料も見ておきましょう。
出典:交付目論見書
バンガードのインデックスファンドの手数料は非常に安いです。これらのファンドの手数料を平均すると約0.09%です。
ただ実際にセゾン投信に支払う手数料は0.57%でしたよね?
何と投資家が支払う手数料の内わずか15%程度しか実際に運用を行うバンガード社に支払われていないのです。
もちろんセゾン投信も手数料を取るべきですが、この水準は高すぎるかなと思います。
セゾン資産形成の達人ファンドとは
ファンドの特徴
続いてもう一つのファンド、セゾン資産形成の達人ファンドについても見ていきましょう。
ファンドの主な特徴はこちらの4つです。
- 株式に投資
- 国際分散投資
- アクティブファンドに投資
- 原則として、為替ヘッジは行わない
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドでは債券と株式に50%ずつ投資していましたが、セゾン資産形成の達人ファンドでは、世界各国の株式に分散投資します。
投資対象の国や業種はこちらです。
出典:交付目論見書
北米が42.5%と大部分を占めており、次いでヨーロッパ、新興国、日本となっています。業種はヘルスケアが一番多く、次いで情報技術、一般消費財・サービスとなっています。
このように世界各国の株式に分散投資してますが、これは各種アクティブファンドに投資することで実現しています。
セゾン資産形成の達人ファンドの投資先ファンドを見てみましょう。
出典:交付目論見書
セゾン投信が直接世界各国の株式に投資する訳ではありません。あくまで投資を行うのは投資先のファンドであり、世界のどのファンドに投資するかを考えるのがセゾン投信の役割なのです。
セゾン資産形成の達人ファンドの手数料とは
続いて手数料も見ていきましょう。セゾン資産形成の達人ファンドはアクティブファンドです。
一般的にアクティブファンドはインデックスファンドより手数料が高いですので、同じアクティブファンドで有名なひふみ投信と比較してみましょう。
セゾン資産形成の達人ファンド | ひふみ投信 | |
購入時手数料 | なし | なし |
信託報酬 | 年1.35%±0.02%程度 | 年1.078%(税込) |
信託財産留保額 | 基準価格に0.1%の率を乗じた額 | なし |
購入時手数料は両者ともなしですが、信託財産留保額(=解約時の手数料)はセゾン資産形成の達人ファンドのみかかります。
信託報酬もセゾン資産形成の達人ファンドの方が高くなっています。セゾン資産形成の達人ファンドはアクティブファンドの中でも手数料が高いと言えます。
セゾン投信の運用成績は良い?悪い?
それでは、これまでのセゾン投信の運用成績を確認してみましょう。
セゾン投信では2つのファンドどちらも一番多く投資しているのは米国ですので、米国の代表的な株価指数であるS&P500と比較してみます。
トータルリターン1年 | トータルリターン3年(年率) | トータルリターン5年(年率) | トータルリターン10年(年率) | |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 10.36% | 11.58% | 8.26% | 7.71% |
セゾン資産形成の達人ファンド | 17.58% | 17.03% | 11.01% | 12.60% |
S&P500 | 19.87% | 25.87% | 17.77% | 16.80% |
1年~10年どの区間で区切ってもS&P500のリターンが一番優れていることが分かります。
念のためここ3年の推移をグラフで比較してみましょう。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドやセゾン資産形成の達人ファンドよりもS&P500が大幅に良いパフォーマンスを記録しています。
それならわざわざセゾン投信に高い手数料を払って投資先ファンドを選定してもらわなくても、S&P500で運用するファンドに直接投資すればいいのではないでしょうか?
投資先ファンドを選定するセゾン投信の役割に、高い手数料を支払う意味があるのかは疑問です。
セゾン投信の今後の見通しは?
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの今後の見通しとは
まずは、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドですが、こちらは株式と債券に50%ずつ投資するインデックスファンドです。
一般的に債券は金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がります。
日本は言わずもがな、以前までの傾向として金利は下がってきました。しかしながら、近年世界的なインフレに見舞われており、米国をはじめとして金利は上昇してきました。
今後も金利は高止まりか上昇すると予想されています。つまり、今後の債券価格は上昇せず下がる可能性が高いのです。
今後、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドにとっては厳しい状況が続くと考えられます。
セゾン資産形成の達人ファンドの今後の見通しとは
セゾン資産形成の達人ファンドは、世界各国のアクティブファンドに投資するファンドですが、一番多くの割合を占めるのは米国株です。
米国株は好調で右肩上がりで上昇し続けてきました。しかし、コロナ後の相場で急上昇した後一度落ち込み、現在は価格を戻してきている状況です。
米国株のPERの推移を見てみましょう。
※PERとは?
株価の割安度を測る指標。数字が大きいと割高で、数字が小さいと割安を意味する。数字が小さい時に投資した方が安全。
米国株のPERはこれまで15~20程度で推移していましたが、2021年には約36と2倍まで増加しています。
高すぎる水準となっており、いつ暴落してもおかしくありませんでしたが、実際に株価は急落しました。
現在は価格を暴落時より戻しており、適正PERより若干高めかなという水準です。もう少し割安な時に始めるのが理想だと言えます。
米国株の危険性については別記事でも解説していますので良ければそちらもご一読ください。
まとめ
それでは、最後にまとめです。
- セゾン投信には3つのファンドがある
- 海外に投資するファンドは2つともS&P500に運用成績が大きく劣後しており高い手数料を払う価値があるかは疑問
【セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド】
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは世界の株式と債券に投資するインデックスファンド
- インデックスファンドの中でも手数料が高い
- 実際の運用者であるバンガード社分の手数料は15%程度しかなく、ほとんどがセゾン投資への手数料
- 今後の債券価格は上昇し辛く厳しい状況が続くと考えられる
【セゾン資産形成の達人ファンド】
- セゾン資産形成の達人ファンドはアクティブファンドを通じて世界各国の株式に投資する
- アクティブファンドの中でも手数料は高い
- 大部分を占める米国株は株価が高く適正PERよりもやや割高な水準
正直、そこまでおすすめできない結果となってしまいました。
私が個人的に日本のファンド数十社を分析した結果、他におすすめできるファンドはたくさんあります。
投資先をお探しの方は、優良ファンドを厳選しましたので下記のファンドランキングをぜひ参考にしてみて下さい。