今回はサイバーセキュリティ株式オープンの特徴や今後どうなるかについて解説していきます。
サイバーセキュリティ株式オープンへの投資を検討している方や、すでに投資していて解約しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい。
また、投資信託については別記事でも解説していますので良ければそちらも合わせてご一読ください。
サイバーセキュリティ株式オープンの特徴
投資コンセプトをチェック
サイバーセキュリティ株式オープンの基本情報はこちらです。
投資対象 | 株式 |
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投資対象地域 | グローバル(日本を含む) |
為替ヘッジ | 2種(あり/なし) |
設定日 | 2017年7月13日 |
委託会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
投資対象は株式で、グローバルに投資する投資信託となっています。
一応、日本を含んだ世界中に投資することになりますが、グローバルと書いてある投資信託は大体アメリカがメインの投資先となっています。
設定日は2017年7月と比較的最近、組成されたファンドとなっていますね。そして、投資コンセプトは名前の通り「サイバーセキュリティ関連企業に投資する。」です。いわゆるテーマ型の投資信託となっています。
投資対象の業界を絞ったテーマ型投信はやることがイメージしやすいので個人投資家には人気があります。しかし、売れやすいからといって運用成果が出やすい訳ではないので注意して下さい。
サイバーセキュリティ株式オープンの運用会社とは?
そして、サイバーセキュリティ株式オープンの委託会社(=運用を行う会社)は三菱UFJ国際投信株式会社となっています。
しかし、交付目論見書を見ると運用指図に関する権限を委託しており、委託先は「ヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシー」となっています。
ヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシーとは?
米国の金融グループ、ヴォヤ・ファイナンシャルの傘下にある運用会社。40年以上の運用実績を持つ。
さぁ、そんなサイバーセキュリティ株式オープンの評価・評判はどうなっているでしょうか。細かく見ていきましょう。
サイバーセキュリティ株式オープンの評価や評判は良い?悪い?
投資信託の評価に当たっては有名なアワードがいくつかあり、有名なのは下記です。
- R&Iファンド大賞
- MORNINGSTAR AWARD FUND OF THE YEAR
- 投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year
こういった中で、サイバーセキュリティ株式オープンは「R&Iファンド大賞2022」の投資信託/テクノロジー関連外国株式部門において優秀ファンド賞を受賞しています。
出典:月次レポート
つまり、サイバーセキュリティ株式オープンの評判は良いと言えますね!
続いて、実際の投資家にはどう思われているのか。口コミが見れる掲示板をのぞいてみましょう。
サイバーセキュリティ株式オープンの掲示板での評判
こちらがYahooファイナンス掲示板での評価や口コミです。
140万円と結構な金額の損失を出されていますね。どうやら内容をよく分からずに銀行員さんにすすめられるままに買ってしまったようです。
もちろん今後上がる可能性もゼロではないのですが、テーマ型の投信は手数料が高い事もあり保有し続けるより手放す決断をされたようです。
続いての口コミはこちらです。
今は下がっていても今後は上がるはずだから、信じて保有し続けるべきとの意見ですね。
確かに一理あると思います。資産運用では常にずっとプラスという訳にはいかないでしょうから今マイナスだから手放すというのも違うかもしれませんね。
こちらの方はマイナスではあるものの、資金の流動性を考えて解約されていますね。
回復するかもしれませんが、その塩漬けにしておく数年という期間がもったいないということでしょう。
損切りする決断は、なかなかできないのですが決断されていて素晴らしいですね。
サイバーセキュリティ株式オープンは一時期は成績が良かったもののその後落ち込んでいるので、厳しい口コミも多く見られました。
続いて、口コミでも高いと指摘されていた手数料について見ていきましょう。
サイバーセキュリティ株式オープンの手数料は高いのか安いのか?
投資信託の手数料には3種類あります。購入時の手数料、運用している間にかかる信託報酬、解約時の手数料です。
では、これらの手数料を同じくグローバルに投資する投資信託と比べてみましょう。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションファンド | インベスコ世界厳選株式オープン | サイバーセキュリティ株式オープン | |
購入時手数料 | 最大3.3% | 最大3.3% | 最大3.3% |
信託報酬(実質) | 年率1.7675% | 年率1.727% | 年率1.870% |
解約手数料 | なし | なし | なし |
比較すると、サイバーセキュリティ株式オープンの手数料は若干高いかもしれませんが、同カテゴリーの投資信託の中では一般的な水準と言えそうです。
ただし、手数料が安いインデックスファンドですと0.1%程度のものもあるので、そういうのと比較して手数料が高い投資信託との口コミがあるのかもしれません。
サイバーセキュリティ株式オープンはアクティブファンドであり多少手数料が高いのは仕方ありません。その分、インデックスを上回るリターンを狙っていくというのが投資コンセプトとなります。
サイバーセキュリティ株式オープンの投資先上位10銘柄
続いて、具体的にどんな銘柄に投資しているのか見ていきましょう。
投資先の上位10銘柄は次のようになっています。
(2024年1月31日現在)
銘柄 | 国 | 比率 | |
1 | クラウドストライク・ホールディングス | アメリカ | 6.1% |
2 | パロアルトネットワークス | アメリカ | 5.4% |
3 | ブロードコム | アメリカ | 5.3% |
4 | ゼットスケーラー | アメリカ | 5.3% |
5 | クラウドフレア | アメリカ | 4.5% |
6 | サイバーアーク・ソフトウェア | アメリカ | 3.8% |
7 | アカマイ・テクノロジーズ | アメリカ | 3.7% |
8 | サービスナウ | アメリカ | 3.6% |
9 | マイクロソフト | アメリカ | 3.5% |
10 | オクタ | アメリカ | 3.4% |
錚々たる大企業が並んでいます。
例えば第2位のパロアルトネットワークスは、時価総額900億ドルを超える世界有数のネットワークセキュリティ企業です。
次世代ファイアウォールを展開し、圧倒的な規模と技術で業界を牽引するリーダー企業となっています。
第4位のゼットスケーラーは、カリフォルニア州に本社を置くクラウドセキュリティ企業となっています。
世界中に150以上のデータセンターを擁し、世界最大規模のクラウドセキュリティプラットフォームを提供しています。
第9位のマイクロソフトは説明不要ですね。Windowsを開発しており、マイクロソフトがなければ今の世の中は全く違ったものになっていたでしょう。(アップルが独占していただけかもしれませんが笑)
では、こういった企業に投資した結果、運用成績はどうなっているでしょうか。
サイバーセキュリティ株式オープンの運用成績
設定来の運用成績
サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジ無)の設定来の運用成績はこちらです。
(2024年1月31日時点)
出典:月次レポート
設定来、右肩上がりで上昇しコロナショックで一度下落しましたが、それ以降のバブル相場に乗って大きく成長しました。
基準価格35,000円程度でピークを付けた後、20,000円ほどまで大きく下落しましたが、再び上昇し35,000円を超えています。
ボラティリティはあるものの、長期で見れば悪くないようにも見えます。
しかし、株式市場全体が好調なだけかもしれませんのでマーケットと比較してみましょう。
マーケットとの比較
サイバーセキュリティ株式オープンは90%以上をアメリカに投資していますので、アメリカの代表的な株価指数と比較してみましょう。
過去3年の比較結果がこちらです。
- サイバーセキュリティ株式オープン +50.23%
- S&P500 +93.15%
サイバーセキュリティ株式オープンの運用成績も決して悪い訳ではありません。しかし、インデックスには大きく負ける結果となってしまいました。
つまり、インデックス投資より手数料が高いうえに運用成績も悪いので、わざわざ高い手数料を払って選ぶ意味はない、ということになってしまいます。
今後どうなる?見通しを解説!
それでは最後に、念のため今後どうなっていくかも検討しておきましょう。
基本的にサイバーセキュリティ株式オープンの投資先はアメリカのハイテク株となっており、金利が低く経済活動が活発な成長環境でこそ真価を発揮します。
逆に金利が高い状況は向かい風となり急成長に期待するのは難しいです。
それでは、金利の推移はどうなっているでしょうか。アメリカはインフレに悩まされており、その対策として金利を上げ続けています。
出典:外為ドットコム
このように2022年以降急激に引き上げられており、この傾向はしばらく続くと言われています。
そのため、すぐにサイバーセキュリティ株式オープンが急成長するのは難しいというのが結論です。
無理にサイバーセキュリティ株式オープンに拘らなくても、他にもっと良い投資先はたくさんあります。
個人的に分析して良いと思った投資先は下のランキングにまとめていますので、投資先をお探しの方はぜひ参考にしてみて下さい。