トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは運用資産残高2,000億円ほどの巨大な投資信託であり、投資を検討している方も多いと思います。
果たしてトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは本当に儲かるのでしょうか?
本記事ではトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの評判や口コミについて解説していきます。
また、他の個別投信についても解説していますので良ければそちらも合わせてご一読ください。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの特徴とは
概要
まずは、基本的な情報から確認しておきましょう。
投資対象地域 | 日本 |
---|---|
決算頻度 | 年1回 |
純資産総額 | 1959億円(2024/6/28) |
委託会社 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 |
設定日 | 2003年11月14日 |
日本国内に投資するファンドであるため為替リスク等はありません。
さらに、設定日は2003年であり運用歴の長い投資信託となっています。
純資産額は2,000億円ほどもあり、これだけ長い間運用し続けてこられたのも人気の賜物と言えるでしょう。
それでは、人気を集めているトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドはいったいどんな運用をする投資信託なのでしょうか。
投資コンセプト
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの運用戦略は非常にシンプルです。
名前の通り、トヨタ自動車及びそのグループ会社の株式に投資を行います。
車は非常に多くの部品で製造されており、各部品を作る自動車部品メーカーは巨大な企業が多く上場企業も多数あります。
出典:モーニングスター株式会社
エアコン等を作っているデンソーなんかはホントに超巨大企業ですね。
トヨタ自動社に加えてこれらの部品・素材メーカーに投資するのがトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの運用戦略となっています。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの評判は?
それではこういった運用を続けた結果、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドはどんな評判を得ているでしょうか。
実はかなりの高評価を受けています。
投資信託には、優秀なファンドを表彰する賞がいくつかあるのですか、モーニングスター社の実施する「FUND OF THE YEAR 2021」で最優秀ファンド賞を受賞しています。
「FUND OF THE YEAR2021」国内株式型部門最優秀ファンド賞
出典:モーニングスター株式会社
国内株式型部門の対象ファンドは897本となっており、その中での最優秀ファンド賞です。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは、とても高い評価を得ていると言えるでしょう。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの掲示板での評判は?
続いて、掲示板での評価はどうなっているでしょうか。
掲示板には実際に投資している人が書き込んでいる事が多く、生の口コミを知ることができます。
有名なヤフー掲示板を見てみましょう。
トヨタの新車を楽しみにしてい方がいますね。トヨタ自動車を応援したいという気持ちもあるのかもしれません。
また、少し辛辣な意見も見られますね。メインに投資しているのはもちろんトヨタ自動車の株ですが、グループ会社にも分散していますので当然正確に連動しない事もあり得ます。
直近の成績があまり良くない事もあって否定的な口コミも見られる結果となりました。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの手数料は高い?
また、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの手数料についても確認しておきましょう。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドはアクティブファンドではあるのですが、ポートフォリオは基本的にいじりません。
インデックス投信のように時価総額に応じて投資しているだけです。ですので、手数料を比較する際には、アクティブファンドだけでなくインデックスファンドとも比較する必要があります。
ニッセイ日経平均インデックスファンド | ひふみ投信 | トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド | |
購入時手数料 | なし | なし | 最大3.3% |
信託報酬(実質) | 年率0.154% | 年率1.078% | 年率0.759% |
解約手数料 | なし | なし | なし |
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの購入時手数料は最大3.3%ですが、メジャーな証券会社でもネット購入等を活用すれば0にすることができます。
その上でアクティブ投信であるひふみ投信と比較すると、信託報酬は0.3%ほど安くなっています。
しかしながら、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは頻繁に銘柄入れ替えが行われるわけではないので実質インデックスファンドのような手間で運営されています。
インデックスファンドのニッセイ日経平均インデックスファンドと比較すると、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの信託報酬は約5倍となっており手数料は高いと言えます。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの投資先上位10銘柄
先程も少し触れましたがトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドでは頻繁な銘柄入れ替えは行いません。
トヨタ自動車への投資比率を50%ととして、残りの50%をグループ会社に時価総額に応じて分散します。
この運用ルールに従った結果、投資先上位10銘柄は以下のようになっています。
(2024年5月31日時点)
銘柄 | 業種 | 比率 | |
1 | トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 49.6% |
2 | デンソー | 輸送用機器 | 17.2% |
3 | 豊田自動織機 | 輸送用機器 | 10.4% |
4 | 豊田通商 | 卸売業 | 7.3% |
5 | SUBARU | 輸送用機器 | 5.7% |
6 | アイシン | 輸送用機器 | 3.7% |
7 | 小糸製作所 | 電気機器 | 1.5% |
8 | トヨタ紡織 | 輸送用機器 | 0.9% |
9 | ジェイテクト | 機械 | 0.8% |
10 | 豊田合成 | 輸送用機器 | 0.8% |
トヨタ自動車を筆頭に各グループ会社が並んでいますね。
ある程度分散はされていますがグループ会社である以上、基本的にトヨタ自動車が好調であれば全体として好調に、不調であれば全体として不調になることが予想されます。
分散投資の本来の目的であるリスクヘッジが機能していないように見受けられます。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの運用成績
設定来の運用成績
それでは、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドのこれまでの運用成績はどうだったのでしょうか。
設定来の運用成績を見てみましょう。
2024年5月31日時点
出典:マンスリー・レポート
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 | |
リターン | -4.8 | -3.4 | 18.1 | 56.9 | 69.5 | 526.0 |
設定した直後は順調に成長しましたがリーマンショックで大きく下落しています。その後しばらく低迷しましたが、復活を果たし長期で見れば右肩上がりで推移しています。
このデータだけを見ると中々良い感じですね!
そして、気になるのはやはりわざわざ分散投資をして投資信託にする必要があるのか?ということですよね。
トヨタ自動車個別銘柄との比較
という訳でトヨタ自動車の株式とリターンを比較してみましょう
比較結果はこちらです。
2024年5月31日時点
6ヶ月 | 1年 | 3年 | |
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド | 18.0% | 56.8% | 69.4% |
トヨタ自動車の個別株式 | 21.7% | 78.2% | 86.5% |
全ての期間において投信が個別株に負けていますね。
さらに、上記の投信の運用成績は分配金を再投資した場合であり、実際には分配金を毎年出していますので実現しない運用成績です。
出典:マンスリー・レポート
つまり、上記の数字よりも実際のパフォーマンスは悪くなりますし、さらに手数料も引かれますのでよりパフォーマンスは悪くなります。
もともと十分にトヨタ株を上回る成績を残せていない上に、手数料や配当金による運用効率の悪化もありますので、わざわざトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドを選ぶ意味はないと言えます。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの今後の見通しはどうなる?
それでは、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの今後の見通しはどうでしょうか。
これはもうトヨタ自動車の今後の業績に尽きると言えます。もちろん円高や円安の影響もありますが、あくまで事業自体の収益性や継続性が重要です。
しかし、自分の資産を増やす手段としてトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドを買うかと聞かれれば答えはNoです。
もっと良い投資先は他にもありますし、どうしてもトヨタを応援したいなら手数料もかからない訳ですから直接トヨタ自動車の個別株を買えばいいと思います。
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは、トヨタのグループ会社も含めてまとめて応援したい人向けの投信だと言えます。
まとめ
では、最後にトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドについてまとめてみましょう。
- トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドはトヨタ自動車とそのグループ会社に投資する
- トヨタ自動車が50%、残りの50%はグループ会社の時価総額に応じて投資
- 手間がかかってない割に手数料は高い
- 成績がトヨタ自動車に連動するのでリスク分散できておらず、高い手数料を払って投資信託にする意味があまりない
高い手数料を払ってわざわざ選ぶ意味はない投資信託かと思います。
他にも良い投資先はたくさんあります。私が投資信託やファンドを分析した結果、おすすめのファンドは下のランキングにまとめています。
投資先をお探しの方はぜひそちらも参考にしてみて下さい。