JPMザ・ジャパンはJPモルガン・アセット・マネジメントが提供している日本株を対象とした投資信託です。
果たしてこちらの投信は、評判通り投資した方が良いファンドなのでしょうか?それとも、実はやめた方が良いファンドなのでしょうか。分析して解説していきます。
JPMザ・ジャパンへの投資を考えている方は参考にしてみて下さい。
また、他にも投信について別記事で解説していますので良ければ参考にしてみて下さい。
JPMザ・ジャパンの特徴
JPMザ・ジャパンの基本情報
それでは、まずJPMザ・ジャパンの基本情報から見ていきましょう。
投資対象 | 株式 |
---|---|
投資対象地域 | 日本 |
為替ヘッジ | なし |
設定日 | 1999年12月15日 |
委託会社 | JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 |
投資対象は株式で日本株が中心です。
設定されたのが1999年と歴史のある投資信託となっていますね。
そして、2017年10月にはJMPザ・ジャパン(年4回決算型)も設定されました。
- JMPザ・ジャパン
- JMPザ・ジャパン(年4回決算型)
これら2種類のファンドの基本戦略は同じです。ただし、(年4回決算型)の方は年4回の決算時(3月、6月、9月、12月の各14日)に基準価格が1万円を超えている場合、分配されます。
JPMザ・ジャパンの投資コンセプトとは
続いて、これらのファンドの投資戦略を確認しておきましょう。
ファンドの銘柄選定基準はこちらになります。
- 利益成長性が高い
- 株主を重視した経営をしている
- これらの状況が株価に織り込まれていない
すなわち、成長しており、株主に配慮した経営を行っており、割安な企業に投資するわけですね。
コンセプトとしては王道で特段珍しいものではないですが、あとはこれをどれだけ上手く実践できるかが重要になってくるでしょう。
JPMザ・ジャパンの評判とは
では、このような投資を行った結果、JPMザ・ジャパンの評判はどうなっているのでしょうか。
投資信託業界では優秀なファンドを表彰する仕組みがいくつかありますが、その中でも著名なR&Iファンド大賞について見てみましょう。
出典:R&I
こちらのR&Iファンド大賞の国内株式グロース部門においてJPMザ・ジャパンは優秀ファンド賞を受賞しています。
すなわち、JPMザ・ジャパンの評価は高いと言えるでしょう。
JPMザ・ジャパンの掲示板での評判は?
続いて、掲示板での評価も見ていきましょう。
Yahooファイナンスの掲示板を確認してみます。
口コミの内容どうこうではなく、そもそも口コミがあまりありませんでした。
掲示板の口コミを参考にするのはさすがに難しそうですね。
では、気を取り直してJPMザ・ジャパンの細かい部分も見ていきましょう。まずは手数料からです。
JPMザ・ジャパンの手数料は高い?安い?
JPMザ・ジャパンではグロース株を中心とした日本株投資を行っています。
そこで、似たコンセプトで資産運用を行うファンドと手数料を比較してみましょう。
ひふみ投信 | 日本厳選中小型株ファンド | JPMザ・ジャパン | |
購入時手数料 | なし | 最大3.3% | 最大3.3% |
信託報酬(実質) | 年1.078% | 年率1.694% | 年率1.87% |
解約手数料 | なし | 0.3% | なし |
購入時手数料は最大3.3%、信託報酬は年率1.87%となっており、他のファンドより高くなっています。
解約時の手数料は、ひふみ投信同様なしとなっていますね。
まとめると、JPMザ・ジャパンの手数料は決して安くはなく、やや高めの水準だと言えそうです。
JPMザ・ジャパンの投資先上位10銘柄
それでは、いよいよJPMザ・ジャパンの具体的な投資先について見ていきましょう。
組入上位の10銘柄は次のようになっています。
2023年4月28日時点
順位 | 銘柄 | 業種 | 比率 |
1 | 日揮ホールディングス | 建設業 | 4.5% |
2 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 4.1% |
3 | りそなホールディングス | 銀行業 | 4.1% |
4 | IHI | 機械 | 4.0% |
5 | ソニーグループ | 電気機器 | 3.7% |
6 | 荏原製作所 | 機械 | 3.6% |
7 | セガサミーホールディングス | 機械 | 2.8% |
8 | ダイキン工業 | 機械 | 2.6% |
9 | SHIFT | 情報・通信業 | 2.4% |
10 | 日立造船 | 機械 | 2.4% |
出典:月報
第1位の日揮ホールディングスは石油・ガスや発電などのプラントを手掛ける総合プラントエンジニアリング企業です。
建設現場が世界各地なこともあり、夜遅くまでオフィスの明かりが消えないことから不夜城とも呼ばれています。グローバルに活躍するエンジニアリング業界の雄が投資先第1位となっています。
第2,3位は三菱UFJとりそなですので皆さんご存知の銀行ですね。
第4位のIHIは総合重機械大手です。社会インフラ、航空・宇宙、資源・エネルギー、産業機械など様々な分野で事業を展開しています。
ポートフォリオ全体としては以下のような比率となっています。
出典:月報
「情報・通信業」、「機械」、「電気機器」の順となっています。
では、このような資産運用をした結果、運用成績はどうなっているか確認していきましょう。
JPMザ・ジャパンの運用成績
設定来の運用成績
一番設定が古く、歴史のあるJPMザ・ジャパンについて見ていきます。設定来の運用成績はこちらです。
出典:月報
設定来で見ると7倍以上に大きく成長していますね。ただし、2013年前後で基準価格や純資産額が大きく膨れ上がっており、その後運用成績は落ち着くと共に、解約が相次ぎ純資産額は大きく目減りしています。
「純資産額がいきなり増えると、これまでと同じ運用方法が選べなくなり運用成績が振るわなくなる。」
これは資産運用の業界で一般的に言われる傾向です。
JPMザ・ジャパンにもこの傾向が見て取れます。ひふみ投信でもこうした点が指摘されることもありますし、グロース株運用の宿命とも言えるでしょうか。
純資産が増えた後のここ10年くらいの運用成績をもう少し詳しく見ていきましょう。
ひふみ投信とマーケットとの比較
JPMザ・ジャパンの運用成績は果たして良いのか悪いのか。これを判断するために、ひふみ投信とTOPIXと成績を比べてみましょう。
ひふみ投信も日本のグロース株を中心に投資を行っているファンドとなります。
比較結果はこちらです。
2023年4月30日時点
ファンド | JPMザ・ジャパン | ひふみプラス | TOPIX |
リターン(5年) | 2.46% | 2.27% | 2.97% |
リターン(10年) | 4.42% | 11.01% | 5.85% |
シャープレシオ(5年) | 0.13 | 0.14 | – |
シャープレシオ(10年) | 0.24 | 0.74 | – |
10年リターンで見ると、JPMザ・ジャパンはひふみプラスに大きく負け越しています。さらにTOPIXにも負けており、手数料が高いアクティブファンドでありながらインデックスに負けてしまっています。
これでは、手数料の安いインデックスファンドを選べばいいやとなってしまいますね。
残念ですが、わざわざ高い手数料を払ってまでJPMザ・ジャパンを選ぶ理由がないというのが結論です。
今後どうなる?投資すべき!?しないべき!?
投資妙味があるとも思えませんが、念のため今後どうなるかについて分析しておきましょう。
最近では、コロナショック後の上昇相場でJPMザ・ジャパンは大きく基準価格を伸ばしています。
ですが、その一種のバブルも落ち着いてしまいましたし、今後の金利は上昇傾向にあります。
金利が上昇するとグロース株には向かい風ですので益々投資し辛い状況になってきます。
今からJPMザ・ジャパンに投資するのはおすすめできません。
運用初心者の方には投資信託よりもヘッジファンドの方がおすすめです。
ヘッジファンドは資産運用のプロフェッショナル集団で、富裕層の資産を預かり代わりに運用して増やしていくのが使命です。
資産運用をプロに任せたいと思ったらヘッジファンドを選ぶのが良いでしょう。
ヘッジファンドのさらに詳しい説明や、おすすめの個別ヘッジファンドについては下のランキング記事で解説していますので、気になる方はそちらもぜひチェックしてみて下さい。