世の中には数多くの投資信託がありますが、その中でも最も売れている投資信託の一つがインベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)です。
日本経済新聞社の集計する資金流入ランキングでも第3位にランクインしています。
出典:日本経済新聞
確かに売れているなら良い投資信託なのでは?と思ってしまいますよね。ただ、そう一筋縄ではいかないのが資産運用の難しいところです。
本記事では、【世界のベスト】インベスコ世界厳選株式オープンが投資すべきファンドなのかそうでないのか解説していきます。投資を検討している方はぜひ参考にしてみて下さい。
また、別記事でも投資信託について解説していますので良ければそちらも合わせてご一読ください。
【世界のベスト】インベスコ世界厳選株式オープンの特徴
インベスコ世界厳選株式オープンの概要
まずは、(世界のベスト)インベスコ世界厳選株式オープンの概要から見ていきましょう。
投資対象資産 | 株式 |
---|---|
投資対象地域 | グローバル(日本を含む) |
決算頻度 | 年12回/年6回/年1回 |
為替ヘッジ | あり/なし |
委託会社 | インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 |
インベスコ世界厳選株式オープンは、日本を含む世界中の株式の中から成長が見込める銘柄を選定して投資を行います。
6つのタイプ
そして、インベスコ世界厳選株式オープンには、為替ヘッジの有無と決算頻度の違いにより6つのタイプがあります。
為替ヘッジ/決算 | 年12回決算 | 年6回決算 | 年1回決算 |
為替ヘッジなし | ヘッジなし・毎月決算型 | ヘッジなし・年6回決算型 | ヘッジなし・年1回決算型 |
為替ヘッジあり | ヘッジあり・毎月決算型 | ヘッジあり・年6回決算型 | ヘッジあり・年1回決算型 |
インベスコ世界厳選株式オープンは世界中の株式に投資するので、外貨建てで投資する機会が非常に多いです。
例えば米国株に投資した場合を考えてみましょう。仮に株価が上がったとしても米ドルの為替レートが円高に推移したら、株価は上がったのに実質損という状況が発生する可能性もあります。
これがいわゆる為替リスクですが、これに備えてあらかじめ一定のコストを支払う事で為替の影響をなくせるのが為替ヘッジとなります。
続いて決算頻度の方はもっと分かりやすいですね。年に12回/6回/1回決算するかの違いです。
実態としては毎月分配金が貰えるか、そうでないのかの違いとなってきます。
一番人気は○○タイプ
これらは同じコンセプトの投資信託ではありますが、商品としては異なります。どれが一番人気を集めているのでしょうか?
純資産額を比較してみましょう。
2024年6月21日時点
タイプ | 純資産額 |
為替ヘッジなし・毎月決算型 | 1兆5049億円 |
為替ヘッジあり・毎月決算型 | 68億円 |
為替ヘッジなし・年6回決算型 | 32億円 |
為替ヘッジあり・年6回決算型 | 0.3億円 |
為替ヘッジなし・年1回決算型 | 1271億円 |
為替ヘッジあり・年1回決算型 | 32億円 |
このように圧倒的に<為替ヘッジなし>(毎月決算型)が人気を集めていることが分かりました。
そのため、本記事では<為替ヘッジなし>(毎月決算型)について解説していきます。
投資コンセプト
インベスコ世界厳選株式オープンの運用の特徴は、成長性や配当、割安度を追求して将来有望な企業を厳選していくことです。
この手法自体は株式投資の王道ともいえる手法であり、信頼のおける方法だといえます。
では、こういった投資の結果、インベスコ世界厳選株式オープンはどのような評判を得ているのか見ていきましょう。
インベスコ世界厳選株式オープンの掲示板での評判や口コミはどう?
掲示板での評判は?
実際に投資してる人の評判や口コミを見るにはYahoo掲示板やTwitterがおすすめです。
まずはYahoo掲示板から見てみましょう。
出典:Yahooファイナンス
運用によって利益を上げた中から分配金を出すのが普通配当です。一方で、利益が出なかった時に元本を切り崩して配当するのが特別配当となっています。
この口コミでは、特別配当との事ですので利益は出ていないながらも配当金が出たようです。
この方は特別分配金が出たことで満足されているようですが、一般的には資産形成の観点から特別分配金は推奨されていません。
なぜなら、運用効率が悪化し将来の資産増大が期待できなくなってしまうからです。
同じ状況になって不満を覚える人も多いと思います。
Twitterでの評判は?
続いてTwitterも見てみましょう。
特別分配金は言ってしまえば投資した元本の一部が取り崩されて投資家に帰ってくるだけです。
タコが自分の足を食べる様をならってタコ足とも呼ばれています。
タコ足配当をすると運用資金の元手が減って運用効率が悪くなってしまいますので、おすすめされていません。
ただ、毎月口座にお金が振り込まれるのに安心感を覚えて購入してしまう人が多いのも事実です。
インベスコ世界厳選株式オープンの手数料は高い?
それでは、ここでインベスコ世界厳選株式オープンの手数料についても確認しておきましょう。
(世界のベスト)インベスコ世界厳選株式オープン同様、グローバルに運用する投資信託と比較してみます。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションファンド | netWIN GSテクノロジー株式ファンド | インベスコ世界厳選株式オープン | |
購入時手数料 | 3.3% | 3.3% | 3.3% |
信託報酬(実質) | 年率1.7675% | 年率2.09% | 年率1.727% |
解約手数料 | なし | なし | なし |
(世界のベスト)インベスコ世界厳選株式オープンの購入時手数料は3.3%、信託報酬は年率1.727%、解約手数料はなしとなっています。
他の投資信託と比較しても、手数料は高くも安くもありません。
インベスコ世界厳選株式オープンの手数料は、同様のカテゴリーの投資信託の中で一般的な水準だと言えます。
インベスコ世界厳選株式オープンの投資先上位10銘柄
それでは、インベスコ世界厳選株式オープンが実際にどんな銘柄に投資しているのか確認していきましょう。
投資先の上位10銘柄はこちらです。
2024年5月31日現在
銘柄名 | 国名 | 業種 | 比率 | |
1 | 3iグループ | イギリス | 金融 | 6.1% |
2 | マイクロソフト | アメリカ | 情報技術 | 4.4% |
3 | ユナイテッドヘルス・グループ | アメリカ | ヘルスケア | 4.0% |
4 | テキサス・インスツルメンツ | アメリカ | 情報技術 | 3.9% |
5 | ブロードコム | アメリカ | 情報技術 | 3.8% |
6 | ユニオン・パシフィック | アメリカ | 資本財・サービス | 3.6% |
7 | ロールス・ロイス・ホールディングス | イギリス | 資本財・サービス | 3.5% |
8 | アゼリス・グループ | ベルギー | 資本財・サービス | 3.4% |
9 | 友邦保険控股(AIAグループ) | 香港 | 金融 | 3.0% |
10 | べラリア | フランス | 素材 | 2.8% |
1位の3iグループはイギリスのロンドンに本拠地を置く投資会社です。プライベートエクイティを中心に投資事業を行っています。
8位のアゼリスグループは、特殊化学品や食品原料の世界的流通を手掛ける大企業です。パーソナルケアや健康食品からホームケアや産業用クリーニングなど多岐にわたる業界に商品を提供しています。
9位の友邦保険控股は香港に本社を置く生命保険を中心とした金融サービス会社です。100年の歴史を誇り、香港や中国、タイ、シンガポールなど17カ国で金融サービスを展開しています。
米国を中心とした投資信託は数多いですが、インベスコ世界厳選株式オープンではアメリカの純資産比率は49%程度となっています。
業界も金融や情報技術から不動産や素材、生活必需品など多岐にわたっています。
いずれの観点からも分散してバランスよく投資を行っているファンドと言えそうです。
その結果、運用成績はどうなっているか見ていきましょう。
インベスコ世界厳選株式オープンの運用成績
設定来の運用成績
まずは設定来の運用成績から見てみましょう。
1999年1月7日に設定されてからの基準価格と純資産額の推移はこちらです。
2024年5月31日時点
出典:月次運用レポート
10,000円からスタートした基準価格は9,254円まで下落しています。
この基準価格下落の大きな要因の一つは分配金を出しているためです。そこで、分配金についてもチェックしておきましょう。
出典:月次運用レポート
このようにこれまでの分配金を累計すると16,600円となっています。基準価格9,756円と合計すると25年間で10,000円が26,356円になった計算です。
年利に直すと3.9%となる計算です。
悪くはないですが、同期間でのS&P500の年利を計算すると約5.8%となります。
つまり、インベスコ世界厳選株式オープンはマーケットに負けているため、高い手数料を払ってわざわざ選ぶ理由はなさそうです。
マーケットとの比較
念のため、直近の成績もマーケットと比較しておきましょう。米国の代表的な株価指数であるS&P500と比較します。
過去3年間の成績を比較すると結果はこちらです。
- インベスコ世界厳選株式オープン +84.66%
- S&P500 +92.23%
インベスコ世界厳選株式オープンはS&P500に負け越していることが分かります。
やはり、わざわざ高い手数料を払ってインベスコ世界厳選株式オープンを選ぶ意味はないといえます。
インベスコ世界厳選株式オープンの今後の見通しは?
それでは、インベスコ世界厳選株式オープンは今後どうなるでしょうか。
インベスコ世界厳選株式オープンはグローバルに投資をするファンドですが、半分近くは米国が占めています。
米国はインフレに悩まされており、その対策として通常は2.5%程度の政策金利が5.5%程度に引き上げられています。
今後も高い金利が維持もしくはさらに引き上げられるため、米国株にとっては厳しい環境が続きます。
インベスコ世界厳選株式オープンの今後の見通しとしても、明るい未来を期待するのは難しい環境だと言えます。
まとめ
それでは、最後に(世界のベスト)インベスコ世界厳選株式オープンについてまとめます。
- インベスコ世界厳選株式オープンはすごく売れているファンド
- 売れているから良いとは限らない
- 株式にグローバルに投資する
- 毎月配当型は運用効率の著しい悪化を招くためおすすめできない
- 運用成績はマーケットの方が良いため投資する理由は薄い
配当金目当てに購入してしまう人が多いようですが、毎月配当型の投資信託は避けるべきだというのが資産運用業界の暗黙の了解です。
成績もマーケットに負けていますし、わざわざ選ぶ理由はないと言えそうです。
本サイトでは、数多くのファンドを分析していますがおすすめのファンドはランキング形式でまとめています。
下のヘッジファンドランキングのページよりお読みいただけますので、投資先をお探しの方はぜひそちらも確認してみて下さい。