投資信託にはいくつも種類がありますが、レバレッジ型の投資信託で人気を集めているのが「楽天日本株4.3倍ブル」です。
似たような商品に「SBI日本株4.3ブル」もありますね。
これらは両方とも日本の株式市場の4.3倍に動くように設計された商品です。
こういったレバレッジ型の投資信託は上手くいけば大きく利益が出ますし、逆に損失が発生するとマイナスも大きいです。
では、楽天日本株4.3倍ブルには投資すべきでしょうか?しないべきでしょうか?
掲示板等での評判も踏まえて解説していきます。
楽天日本株4.3倍ブルの特徴とは
まずは楽天日本株4.3倍ブルがどんな投資信託なのかから確認しておきましょう。
名前から何となく想像がつきますが、日本の株式市場の概ね4.3倍の動きをするように設定された投資信託となっています。
出典:交付目論見書
普通に取引するよりも4.3倍の値動きがあるので、利益が出る時は大きく出ますし、損失が発生する時は大きな損失となります。
さらに、この楽天日本株4.3倍ブルには大きな落とし穴があります。こちらは絶対に理解してから投資を始めないといけないのですが、少し複雑なのでまたあとで説明しますね。
まずは、楽天日本株4.3倍ブルの評判からチェックしていきましょう。
楽天日本株4.3倍ブルの評判とは?
投資信託の評価に際しては優秀なファンドを表彰する様々なアワードがありますが、楽天日本株4.3倍ブルは特に主要なアワードは受賞していないようです。
しかしながら、どれだけ注目を集めているか確認するために楽天証券の買付ランキングを見てみましょう。
結果はこちらです。
出典:楽天証券
買付ランキングの第5位にランクインしており人気があることが分かります。
また、1位~3位は米国株や全世界株式のインデックスですね。
そして、4位は日本株が下落した時に利益が出るタイプではありますが、レバレッジをかけて日本株式に投資をするという意味で楽天日本株4.3倍ブルと似たような投資信託となっています。
つまり、人気の上位は米国株を主としたインデックス、もしくはレバレッジ型の投資信託が占めています。
楽天日本株4.3倍ブルの掲示板での評判は良い?悪い?
続いて、楽天日本株4.3倍ブルの掲示板での評判も確認していきましょう。
掲示板は主にその銘柄に投資している人などが色々な意見を書いていて、ためになるものもあります。
逆に荒らし目的などあまり参考にならない意見もあるのでそこは注意して下さいね。
では、楽天日本株4.3倍ブルの評判はどうでしょうか。
出典:Yahooファイナンス
短期間の間に何度も取引したり、日々色々な指標をチェックしたりとやる事が多そうです。
ですが、投資してる人は非常に楽しそうなのが印象的ですね。
自分自身で運用するのが好きな投資好きに好まれる投資信託となっています。
絶対に知るべき大きな落とし穴を解説
さて、続いては、自分で投資をするのが好きという人も、楽天日本株4.3倍ブルを始める前に絶対に理解しておかなければいけないことがありますので解説していきます。
先程、概要の説明の時に大きな落とし穴がありますよ~という話がありましたがその詳細を解説していきます。
楽天日本株4.3倍ブルは基本的に日本株の4.3倍の動きをしていきますが、それは1日ごとに見た場合です。
長期で持つと必ずしも、日本株の4.3倍の動きをするわけではありません。
例えば以下の例を見て下さい。株式市場は最終的に4日後に100に戻っていますが、楽天日本株4.3倍ブルは73.4と26.6%もの大きなマイナスを出しているのです。
出典:交付目論見書
日本株式(スタート)100 →(4日後)100
楽天日本株4.3倍ブル(スタート)100 →(4日後)73.4
1日単位の変化率を見れば確かに4.3倍になっていますよね?
ですが、一度減った資産を戻すには、減った以上のプラスを出さないといけません。そのため、4.3倍ブルでは減った資産を戻すのが非常に困難です。
結果として、長期で見れば日本株式市場より楽天日本株4.3倍ブルの方が大きく負け越す可能性が高いのです。
資産運用によって資産形成していきたいのであれば、やらないことをおすすめします。
楽天日本株4.3倍ブルの手数料は高い?安い?
手数料についてもチェックしておきましょう。
楽天日本株4.3倍ブルの手数料はどうなっているでしょうか。
購入時手数料 | 上限3.3% |
---|---|
運用管理報酬 | 年1.243% |
信託財産留保額 | なし |
購入時手数料は上限3.3%となっていますが、実際にはなしとしている証券会社が多いです。そして、やめる時の手数料である信託財産留保額もなしとなっています。
楽天日本株4.3倍ブルは短期売買が前提の商品設計をしているので、購入時手数料や信託財産留保額が0円なのは当然かなと思います。そうでなければ誰も買わないと思います。
続いて、信託報酬ですが年1.243%となっていて、比較的高い水準となっています。しかしながら、短期売買なのであれば運用管理報酬はさほど気にする必要がないかもしれませんね。
楽天日本株4.3倍ブルの運用成績は良い?悪い?
設定来の推移をチェック
ここまで楽天日本株4.3倍ブルについて見てきて長期保有には向かない投資信託という話でしたが、実際の運用成績はどうなっているでしょうか。
設定来の運用成績を確認してみましょう。
出典:月次レポート
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
-28.9% | -10.0% | -33.1% | -54.4% | -3.7% | -15.9% |
全ての期間においてマイナスとなっていますね。
ちなみにこの投資信託の設定日は2015年10月7日ですが、その日の日経平均の終値は18,322円で、2022年9月30日は25,937円です。
41%も日経平均が上昇している期間で、楽天日本株4.3倍ブルは-15.9%となっています。どれだけ長期保有に向かない投資信託かお分かりいただけたでしょうか。
1ヶ月の推移をチェック
念のため、1か月間保有した場合どのような資産推移になるのか確認してみましょう。
2022年9月で考えてみます。8月31日の基準価格が11,834円なので、仮に1183万円保有していたとしましょう。
資産推移はこちらです。
日付 | 資産推移 | 前日比変化率 |
2022/8/31 | 1,183万円 | – |
2022/9/1 | 1,094万円 | -7.5% |
2022/9/2 | 1,100万円 | +0.5% |
2022/9/5 | 1,096万円 | -0.3% |
2022/9/6 | 1,091万円 | -0.5% |
2022/9/7 | 1,065万円 | -2.3% |
2022/9/8 | 1,162万円 | +9.1% |
2022/9/9 | 1,196万円 | +2.9% |
2022/9/12 | 1,244万円 | +4.0% |
2022/9/13 | 1,270万円 | +2.1% |
2022/9/14 | 1,126万円 | -11.4% |
2022/9/15 | 1,131万円 | +0.5% |
2022/9/16 | 1,073万円 | -5.1% |
2022/9/20 | 1,089万円 | +1.6% |
2022/9/21 | 1,033万円 | -5.2% |
2022/9/22 | 1,018万円 | -1.4% |
2022/9/26 | 884万円 | -13.2% |
2022/9/27 | 901万円 | +1.9% |
2022/9/28 | 842万円 | -6.5% |
2022/9/29 | 900万円 | +6.9% |
2022/9/30 | 840万円 | -6.6% |
1ヶ月で1183万円が840万円まで減ってしまいましたね。およそ29%の下落です。ちなみに、この期間に日経平均は約7.6%しか下落していません。
つまり、1ヶ月連続して保有するのもダメですから、本当に一日の間に取引を終えるくらいの短期間で売買してく必要があるでしょう。
しかしながら、決して1日単位で見ても値動きは小さくありません。日によっては1日で1日で134万円も損している日もありますよね。
あなたはこういった投資をやりたいですか?
今後の見通しを解説
これまで見てきたように、楽天日本株4.3倍ブルは1ヶ月といった期間でさえ保有することが難しく、一日の間に売買をしていかなければいけないような投資信託です。
そのため、今後の見通しを考えること自体にあまり意味がなく、今日上がるのか下がるのかそれを追求していく必要があると言えるでしょう。
しかしながら、そんな事を予測するのは不可能でありギャンブル以外の何物でもありません。
資産運用によってきちんと資産を作っていきたいのであれば、楽天日本株4.3倍ブルを選ばない事をおすすめします。
また、個人的におすすめのファンドについては下のランキングで解説しています。投資先をお探しの方はそちらをぜひチェックしてみて下さい。