本サイトでは様々な投資信託を分析してきましたが、今回取り上げるのはゴールドマン・サックスの提供する投資信託「(ネクストウィン)nextWIN GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ」です。
こちらは世界のテクノロジー関連の株式に投資するファンドとなっています。
ネクストウィンの仕組みや投資先を分析して、今後の価格の見通しや評判について解説していきます。
また、海外資産での運用については別記事でも解説していますので気になる方はそちらも参考にしてみて下さい。
ネクストウィンの特徴とは
ネクストウィンの4つのコースの違い
まずは(ネクストウィン)nextWIN GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズの概要から見ていきましょう。
投資対象地域 | グローバル(日本を含む) |
---|---|
決算頻度 | 年2回(A/Bコース)、年12回(C/Dコース) |
為替ヘッジ | 限定ヘッジ(A/Cコース) / なし(B/Dコース) |
委託会社 | ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社 |
設立 | 2000年2月25日(A/Bコース)、2021年2月26日(C/Dコース) |
ネクストウィンには決算月と為替ヘッジの有無によって4つのコースがあります。
出典:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
決算/為替ヘッジ | 限定ヘッジあり | ヘッジなし |
年に2回 | Aコース | Bコース |
年に12回 | Cコース | Dコース |
決算月に関して年2回のものと年12回のものがありますが、資産運用の効率を考えると年2回のものがおすすめです。
なぜなら、配当の回数が増えると資産運用における複利の効果を上手く使えずリターンが減ってしまうからです。
そして、為替ヘッジをかけるとそれに応じてコストが常にかかるためあまりおすすめはできません。
これらの理由により年2回決算で為替ヘッジなしのBコースが圧倒的な人気を集めています。
投資コンセプト
続いて、ネクストウィンではどんな投資を行うのでしょうか?
ネクストウィンの投資コンセプトは「将来のテクノロジー・リーダーが創る未来への投資」です。
出典:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
日本を含む世界各国で日夜技術革新が行われており、私達の生活はどんどん変わっていきます。
斬新なアイディアやテクノロジーで世界に大きなインパクトを与える次世代のリーダー企業に投資するのがネクストウィンでの資産運用です。
ネットウィンとの違いとは
さぁここまでネクストウィンについて見てきましたが、同じゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが運用する投資信託に「(ネットウィン)netWIN GSテクノロジー株式ファンド」がありました。
ネクストウィンとネットウィンの違いはどこにあるのでしょうか?
ズバリ違いとしては投資対象地域です。
基本的にどちらもテクノロジー関連の成長企業に投資していきますが、ネットウィンが米国を投資対象としているのに対して、ネクストウィンは日本を含む全世界が投資対象です。
違いを理解した所でお次はネクストウィンの掲示板での評判について見ていきましょう。
(ネクストウィン)nextWIN GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズの掲示板での評判は
掲示板には自由に書き込みでき、主に実際に投資している方の口コミが見れますので参考になる部分も多いです。
有名なヤフーの掲示板を見てみましょう。
出典:Yahooファイナンス
運用成績が悪いこともあり、かなり悲観的な口コミが並んでいます。
特に証券会社の強い営業で購入してしまった人が多かったようですね。
投資は最終的には自己責任ですので何とも難しい部分もあるのですが、1点重要なポイントは口コミでも指摘されているように証券会社にとって投資家の利益や損失は関係ないということです。
そのため、とにかく投信を売ることに全力を費やしていますので、安易に証券会社のセールストークを鵜呑みにするのはおすすめしません。
ネクストウィンの手数料は高い?
続いて、ネクストウィンの手数料についても見ていきましょう。
同じく海外資産で運用する投資信託と比較してみます。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションファンド | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 | nextWIN GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ | |
購入時手数料 | 3.3% | 3.3% | 3.3% |
信託報酬(実質) | 年率1.7675% | 年率1.727% | 年率1.7875% |
解約手数料 | なし | なし | なし |
購入時手数料や解約手数料は全く同じとなっています。
信託報酬に関しては、若干の差はありますがほぼ同程度と言えるでしょう。
つまり、ネクストウィンの手数料は特に高くも安くもなく一般的な水準と言えます。
ネクストウィンの投資先上位10銘柄
さぁ、それではネクストウィンはどんな銘柄に投資しているのでしょうか。
実際の投資先トップ10を見てみましょう。
銘柄名 | 比率 | 国 | 業種 | |
1 | パロアルトネットワークス | 3.9% | 米国 | 情報技術 |
2 | モトローラ・ソリューションズ | 3.0% | 米国 | 情報技術 |
3 | ケイデンス・デザイン・システムズ | 2.9% | 米国 | 情報技術 |
4 | ビアビ・ソリューションズ | 2.9% | 米国 | 情報技術 |
5 | ハブスポット | 2.7% | 米国 | 情報技術 |
6 | KLAコーポレーション | 2.7% | 米国 | 情報技術 |
7 | オン・セミコンダクター | 2.7% | 米国 | 情報技術 |
8 | キンディー・インターナショナル・ソフトウェア・グループ | 2.6% | 中国 | 情報技術 |
9 | フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ | 2.5% | 米国 | 情報技術 |
10 | SBAコミュニケーションズ | 2.4% | 米国 | 不動産 |
業種は情報技術に特化した構成となっていますね。
パロアルトネットワークスはサイバーセキュリティ、モトローラは総合電子通信機器メーカー、ケイデンスは半導体開発用ソフトウェア企業となっています。
投資先の国に関しては、グローバルと言いつつも米国が圧倒的にトップを占めています。
全体の割合としては以下のようになっています。
出典:月次レポート
米国ほどではありませんが、アジアや日本、欧州にも投資されており、全世界が投資対象となっていることが確認できますね。
こういった投資の結果、ネクストウィンの運用成績はどうなっているのでしょうか。
ネクストウィンの運用成績
設定来の運用成績
まず設定来の運用成績から見てみましょう。
一番人気のBコースの推移はこちらです。
出典:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社
設定されたのが2020年2月ですので、ちょうどコロナ後の上昇相場にのってぐんぐん上昇しています。
しかしながら、2022年以降はマーケット全体が下落局面に入ったのに合わせて、基準価格も大きく下落しています。
数値でも確認しておきましょう。
2022年10月31日現在
コース | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 設定来 |
Aコース | -1.16% | -14.02% | -22.93% | -47.76% | -1.85% |
Bコース | 1.34% | -4.84% | -10.35% | -31.39% | 33.37% |
Cコース | -1.13% | -13.94% | -22.79% | -47.39% | -41.08% |
Dコース | 1.27% | -4.84% | -10.26% | -31.02% | -18.00% |
マイナスが多く並んでいますね。設定来の運用成績でプラスになっているのはBコースしかありません。
そして、このBコースに関してもプラスになっている主要因は円安によるものです。すなわち、資産運用の内容自体がいい訳ではありません。
マーケットとの比較
あまり良い運用ができていないのは確認できましたが、念のためインデックスとも比較しておきましょう。
比較するのは一番運用成績が良いBコースです。
米国を代表する株価指数のナスダックとS&P500と比べてみましょう。
出典:モーニングスター株式会社
- ネクストウィン +37.82%
- ナスダック +63.67%
- S&P500 +79.76%
ネクストウィンは一時ナスダックやS&P500を上回る時期もありましたが、その後大きく下落し結果としてインデックスを大幅に下回っています。
ネクストウィンは手数料の高いアクティブファンドであり、本来であれば手数料が高い代わりにインデックスを上回る運用成績を目指すファンドです。
これまでの経過を見た限りでは、わざわざネクストウィンを選ぶ理由はないと言えるでしょう。
ネクストウィンの今後の見通しはどうなる?
では、ネクストウィンの今後についてはどうでしょうか。これまでの運用成績が悪くても、将来良くなるのであれば購入しても問題ないはずです。
ネクストウィンは全世界のハイテク銘柄に多く投資しています。
こういったテクノロジー関連の株式は金融緩和されている状況においては成長が期待できますが、金融引き締めされている環境ではあまり成長は期待できません。
現在、米国をはじめとして世界的に金利は上昇しておりこの傾向は続くため、今後もネクストウィンにとって厳しい市場環境が続くと予想されます。
やはり今後の成長に期待して今からネクストウィンに投資するのはあまりおすすめできないと言えます。
まとめ
最後にネクストウィンについてまとめてみます。
- ネクストウィンは全世界のテクノロジー関連企業に投資する
- 3000億円を超える純資産額があり投資している人は多い
- しかし、運用成績は悪く掲示板での評判も悪い
- 金利は上がっており今後の市場環境も厳しいと予想される
- わざわざネクストウィンに投資するメリットはほぼない
分析した結果、残念ながらかなり厳しい内容となってしまいました。ネクストウィンへの投資はおすすめできません。
この理由に関しては、先程の掲示板の口コミにもあったように証券会社が強く営業したからではないかと推察されます。
投資信託が売れる理由は「資産運用の商品として優れているから」ではないのです。
大和証券を始めとした証券会社の営業力の強さが伺えます。
せっかく資産運用するのであれば証券会社におすすめされる投資信託を選ぶのはもったいないです。他にも良いファンドはたくさんあります。
ファンドによっては年利10%~を期待することも可能です。
様々なヘッジファンドや投資信託を分析した結果、おすすめのファンドを下のランキングで紹介していますので、投資先をお探しの方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。