VYMはバンガードが提供している資産運用商品です。配当金が高い銘柄を集めているのが特徴です。
VYMは高配当銘柄が集まっており安定的に利益を狙えるという意見もありますが、個人的にはおすすめしないです。本記事ではその理由を解説していきます。
VYMへの投資を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
また、他の投信についても解説していますので気になる方はそちらも併せてご一読ください。
VYMって何?
バンガードが提供するETF
VYMの正式名称は「Vanguard High Dividend Yield ETF」です。日本語に直すと「バンガード・米国高配当株式ETF」となっています。
ETFとは上場している投資信託のことです。
バンガードは米国の歴史ある運用会社で数々のインデックス投信を世の中に提供しています。
運用戦略を解説
それではVYMはどんな資産運用をするファンドなのでしょうか。
VYMは「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」をベンチマークとするインデックス投信です。
すなわち、「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」に連動するように資産運用が行われていきます。
「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」はREITを除く米国株式市場の高配当利回り銘柄を対象とした株式指数です。
VYMの投資先はどんな会社?
具体的にはどんな銘柄に投資しているのでしょうか?
組入上位10銘柄はこちらです。
(2023年10月25日時点)
No. | 銘柄名 | 業種 | 比率 |
1 | エクソンモービル | エネルギー | 3.61% |
2 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 金融 | 3.21% |
3 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | ヘルスケア | 2.88% |
4 | プロクター・アンド・ギャンブル | 生活必需品 | 2.64% |
5 | ブロードコム | 情報技術 | 2.57% |
6 | ホーム・デポ | 一般消費財・サービス | 2.35% |
7 | シェブロン | エネルギー | 2.29% |
8 | アッヴィ | ヘルスケア | 2.02% |
9 | メルク | ヘルスケア | 2.01% |
10 | ペプシコ | 生活必需品 | 1.79% |
業種としては金融、エネルギーやヘルスケア、生活必需品などが多くなっています。
一方で、Googleやアップルなどいわゆるハイテク銘柄が入っていないのも大きな特徴です。
これらの成長企業は配当を出さないところが多いため自然と投資先にならないのです。
VYMの手数料は高い?安い?
続いて手数料についてもチェックしておきましょう。
VYMと同様、米国市場の高配当銘柄に投資するETFと比較してみましょう。
SPYD | HDV | VYM | |
運用会社 | State Street | Black Rock | Vanguard |
ベンチマーク | S&P500高配当指数 | モーニングスター配当フォーカス指数 | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス |
経費率 | 0.07% | 0.08% | 0.06% |
インデックス投信なので全て安いのですが、その中でもVYMは0.06%と特に安くなっています。
VYMの手数料は間違いなく安いと言えるでしょう!
VYMの掲示板での評判は
では、VYMの評判はどうなっているのでしょうか。
今回はVYMで運用できる日本の投信「楽天・米国高配当株式インデックスファンド」のYahoo掲示板を見てみましょう。
こちらはパフォーマンスに満足していない口コミとなっていますね。
続いての口コミはこちらです。
MMFは公社債投資信託のことで、一般的に株式型の投資信託に比べてローリスクローリターンな商品となっています。
つまり、こちらも運用成績に満足していない口コミといえるでしょう。
そもそも口コミの数も多くありませんでしたし、VYMの評判は決して高くはないと言えそうです。
VYMの運用成績とは
VYMの配当利回り
それでは、いよいよVYMの運用成績を見ていきましょう。
これまで見てきたような資産運用を続けた結果、実際の運用結果はどうなっているのでしょうか。
VYMは高配当銘柄中心に投資しているということもあり、まずは配当利回りをチェックしてみましょう。
2023/10/25
直近配当利回り:3.12%
米国株の平均配当利回りをまとめると次のようになっています。
2023/10/26
米国株全銘柄 | 4.05% |
---|---|
NYダウ | 2.94% |
ナスダック | 3.52% |
S&P500 | 2.37% |
日経平均 | 2.12% |
日経平均やS&P500よりは高いですが、ナスダックや米国株全銘柄よりは低くなっています。
VYMの配当利回りは特別高いとは言えず、高配当銘柄中心とうたっている割にはやや低くなっています。
株価チャートはどうなってる?
では、運用成績はどうなっているでしょうか。
過去の推移はこちらです。
出典:Bloomberg
2020年コロナショックの際に大きく下落していますが、その後の上昇相場にのって大きく上昇しています。
その後は上昇や下落を繰り返していますが大きな動きはなく、横ばいで推移する結果となっています。
5年間で約23%の上昇ですので、年間4%程度の上昇です。
悪くはないですが、S&P500が同じ5年間で約57%上昇していることを考えると、あまりいい結果とは言えません。
VYMの今後の見通し
それでは、VYMの今後はどうなっていくでしょうか。
投資先銘柄でみたように、VYMはどちらかというと「これからどんどん成長していく企業」というよりは「成熟した企業」に投資をしています。
ですので、将来に向けて急激な成長を期待するのは難しいと言えるでしょう。
VYMをおすすめしない3つの理由
結論としては、VYMはおすすめしないです。
その3つの理由を解説していきます。
①高配当銘柄を狙うことに意味がない
そもそも株式投資では高配当株を狙っても意味がありません。原理原則的には配当された分、株価が下がるはずだからです。
高配当ファンドを選ぶ人には、不動産投資のように毎月安定収入というイメージがあるのでしょうが、根本的に不動産の家賃と株式の配当では意味合いが違うのです。
ですので、株式投資では配当を重視することにあまり意味はなく、キャピタルゲインを狙わなければいけないのです。
②値上がり益を期待しづらい
ですが、VYMではキャピタルゲインにそこまで期待できません。
再三述べているように、投資先には成熟企業が多いため、米国株の大きな魅力である成長株に投資しないからです。
大きな成長が期待できないインデックスへの投資は、魅力がないと言わざるを得ません。
③為替リスク
これまで見てきたようにVYMには大きな成長を期待できません。
しかしながら、ドル建てでの運用になりますので為替リスクはあります。
近年、米国の利上げの影響もあり、為替は割と動く傾向にあります。
これでは、投資先の株式の動向に対して、為替の影響が非常の大きくなってしまいます。為替は誰にも読めませんのでギャンブルをしているのとあまり変わらなくなってしまうのです。
為替リスクの観点からもVYMはおすすめできません。
まとめ
では、最後にVYMについてまとめてみます。
- 高配当利回り銘柄を中心に投資する米国のETF
- 急成長が期待できるハイテク銘柄には投資しない
- 成熟した企業が中心のため大きな成長を期待しづらい
- 配当利回りも特別高いわけではない
- 運用成績もS&P500に大きく劣後している
- 為替リスクもある
という訳でVYMは投資先としておすすめしないです。
個人的に研究した結果、おすすめのファンドは下記ランキングにまとめていますので、投資先をお探しの方はぜひそちらもチェックしてみてください。