米国株は人気を集めていますが、投資信託「米国NASDAQオープン」は果たしてどんな投資信託なのでしょうか。
運用すべき投資信託なのでしょうか。それともやめた方が良いのでしょうか。
詳しく解説していきますので運用を検討している方は参考にしてみて下さい。
また、別記事でも個別投信について解説していますので気になる方はそちらもあわせてお読みください。
米国NASDAQオープンの概要
米国NASDAQオープンの運用戦略とは
それではまず米国NASDAQオープンがどんな投資信託なのかからチェックしていきましょう。
米国NASDAQオープンはNASDAQに上場している株式の中から銘柄を厳選していき、NASDAQ総合指数を上回る運用成果を目指すアクティブファンドです。
出典:野村アセットマネジメント
スクリーニングにおいては、根本的にその企業が社会から必要とされているかどうかを重視します。
各企業の付加価値の大きさ競争優位性、バリュエーションをチェックして銘柄を選定していきます。
最終的には30~60銘柄に投資してNASDAQ総合指数を上回るポートフォリオを目指します。
米国NASDAQオープンのAコース・Bコースの違い
米国NASDAQオープンには二つのコースがあります。それぞれ違いは為替ヘッジの有無です。
米国NASDAQオープンAコース(為替ヘッジあり):118億円
米国NASDAQオープンBコース(為替ヘッジなし):843億円
米国株に投資することになりますので、当然円建てで見ると為替の影響を受けます。
株が下がっていても円安になれば利益が出ることがありますし、逆に株が上がっていても円高になると損失が発生することもあります。
その為替の影響を一定のコストを払って軽減しようというのが為替ヘッジありのAコースで、そのまま受け入れるのが為替ヘッジなしのBコースです。
運用資産額を見るとAコースが118億円、Bコースが843億円と圧倒的にBコースの方が人気となっていますので、本記事ではBコースをメインに取り扱っていきます。
米国NASDAQオープンのファンドマネージャーって誰?
では、続いて米国NASDAQオープンの運用は誰が担っているのか確認していきましょう。
一般的な投資信託では、運用者の名前が出ないことも多いですが、米国NASDAQオープンではハッキリと顔と名前が出ています。
出典:野村アセットマネジメント
2012年に野村アセットマネジメントに入社し、2016年からアナリストをされている方のようです。
誰が運用しているか分からない投信も多い中で、ファンドマネージャーを明示するのは信頼感が増しますね。
米国NASDAQオープンは新NISAに対応してる?
ここで米国NASDAQオープンが新NISAに対応しているかも確認しておきましょう。
NISA(少額非課税制度)には二つの枠組みがありますが、米国NASDAQオープンは成長投資枠の対象です。
- 成長投資枠:上場株式、投資信託等
- つみたて投資枠:長期積立・分散投資に適した一定の投資信託
株式投資では通常20.315%の税金がかかりますが、こちらが非課税となります。
ただし、成長投資枠の年間投資枠は240万円、保有限度額は1200万円と定められていますのでご注意ください。
米国NASDAQオープンの掲示板での評判や評価・口コミは?
続いて、米国NASDAQオープンの掲示板での評判について見ていきましょう。
米国NASDAQオープンにはAコース、Bコース、二つのコースがありますのでそれぞれチェックします。
米国NASDAQオープンAコースの掲示板での評判
米国NASDAQオープンAコースのYahoo掲示板での口コミはこちらです。
出典:Yahooファイナンス
長期投資で成功したお父様の例に倣ってご本人も利益を出されていて、今後も長期的に保有していくとの口コミですね。
前向きなコメントですし、評判は良さそうだと感じますね。
ただこちらの掲示板はこのコメントしかなく、ほぼ稼働していなかったので一つの口コミで評判を判断するのは難しそうです。
米国NASDAQオープンBコースの掲示板での評判
続いて、米国NASDAQオープンBコースについてのYahoo掲示板での評判です。
出典:Yahooファイナンス
配当を出しているため運用効率が悪いですし、手数料が高いし良くないのではという口コミですね。
ナスダック連動と書いてありますが、こちらはナスダックを上回る運用を目指していますので連動というとやや語弊があるかなと思います。
続いての口コミはこちらです。
出典:Yahooファイナンス
分配金を喜ぶ口コミですね。確かに分配金は口座にお金が振り込まれるため嬉しい気持ちにはなるのですが、基本的に配当ありの投資信託は選んではいけません。
運用の原資が減り、複利の効果の恩恵を受けられなくなるからです。運用効率が大幅に悪化します。
分配金を再投資すれば同じでは?と思う方もいるかもしれませんが、分配の際に20.315%課税されてしまいますので非効率です。いずれにせよ分配金ありの投資信託は避けた方が良いです。
最後の口コミはこちらです。
出典:Yahooファイナンス
同様のコンセプトの他社商品と比べて、良くないんじゃないかという口コミですね。
米国NASDAQオープンはインデックスファンドではなくアクティブファンドです。
ファンドマネージャーの裁量で自由に運用していきますのでこういったことは往々にしてあるでしょう。
米国NASDAQオープンBコースでは良い口コミも悪い口コミも見られましたが、総じてあまり良くはないかなという印象です。
米国NASDAQオープンの手数料を確認
では、ここで手数料についても確認しておきましょう。
米国NASDAQオープンは米国株で運用するアクティブファンドですので似たようなカテゴリーの投信と比較してみましょう。
YMアセット・優良米国株ファンド | 三菱UFJ NASDAQオープン | 米国NASDAQオープン | |
購入時手数料 | 最大2.2% | 最大3.3% | 最大3.3% |
信託報酬(実質) | 年率1.56% | 年率1.67% | 年率1.70% |
解約手数料 | なし | 0.15% | 0.3% |
3つの手数料を比較すると、米国NASDAQオープンが若干ではありますが、全てにおいて高くなっています。
米国NASDAQオープンの手数料は、若干高い手数料水準だと言えそうです。
米国NASDAQオープンの組入銘柄トップ10
それでは、米国NASDAQオープンが実際にどういった銘柄に投資しているのか見ていきましょう。
投資先の上位10銘柄はこちらです。
2024年10月31日時点
銘柄 | 業種 | 比率 |
NVIDIA CORP | 半導体・半導体製造装置 | 13.1% |
MICROSOFT CORP | ソフトウェア | 12.2% |
AMAZON.COM INC | 大規模小売り | 8.2% |
APPLE INC | コンピュータ・周辺機器 | 6.3% |
BROADCOM INC | 半導体・半導体製造装置 | 6.0% |
META PLATFORMS INC-CLASS A | インタラクティブ・メディアおよびサービス | 5.2% |
APPLIED MATERIALS | 半導体・半導体製造装置 | 4.0% |
ZSCALER INC | ソフトウェア | 3.7% |
ALPHABET INC-CL A | インタラクティブ・メディアおよびサービス | 3.5% |
SHIFT4 PAYMENTS INC-CLASS A | 金融サービス | 2.9% |
投資先自体はNASDAQ総合指数でも上位に入るような超大企業が多くなっています。
ですが、その中でも保有比率を変えてNASDAQ総合指数を上回ろうとするポートフォリオとなっています。
米国NASDAQオープンの運用成績とは
設定来の運用実績
では、このような資産運用をした結果、運用成績はどうなっているでしょうか。
設定来の運用成績はこちらです。
出典:マンスリーレポート
青い線が米国NASDAQオープンですが、設定してから10年以上もマイナスですね。笑
この期間にもあきらめずに運用を続けたことで近年は盛り返し設定来+487.2%となっています。
しかし同期間のベンチマークであるNASDAQ総合指数を見ると設定来995.6%となっています。
なんと、米国NASDAQオープンはNASDAQ総合指数の半分以下のリターンしか出せていません。
残念ながらこれでは、高い手数料を払って米国NASDAQオープンを選ぶ意味はないと言えそうです。
各種インデックスと比較してみる
なかなか厳しい結果ですが、米国NASDAQオープンにとって都合の良い所を切り取ってここ10年での運用成績をインデックスと比較してみましょう。
- 米国NASDAQオープンBコース:548.63万円
- NASDAQ総合指数:517.94万円
- S&P500:450.60万円
- 米国NASDAQオープンAコース:347.72万円
こう見るといきなり、米国NASDAQオープンBコースの成績が良く見えますが、残念ながらこれは為替が円安に動いただけです。
その証拠に為替の影響を軽減したAコースは、NASDAQ総合指数にもS&P500にも大きく負けています。
やはり、高い手数料を払ってまで米国NASDAQオープンに投資する意味はあまりないと言えそうです。
米国NASDAQオープンの今後の見通し
これまで見てきた通り、NASDAQ総合指数を上回ろうとして保有比率を変えた結果、NASDAQ総合指数に大きく負けている、というのが米国NASDAQオープンの現状です。
これまで20年以上もできていなかったことが、今後いきなりできるようになる、というのは中々考えづらいです。
今後の見通しに過度な期待をするのは難しいのではないでしょうか。
わざわざ高い手数料を払ってまで投資する必要はないかなと思います。
個人的に良いと思ったファンドは下記のファンドランキングで解説していますので気になる方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。