たわらノーロード全世界株式がどんな投資信託なのか?良いのか悪いのか気になる方も多いと思います。
本記事では、たわらノーロード全世界株式の評判や評価とともに、商品の内容を詳細に分析して、結局おすすめ投信なのか否か解説していきます。
これから「たわらノーロード全世界株式」への投資を検討している方や、すでに投資していて継続するか悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい。
また、別記事でも投資信託について解説しています。気になる方はそちらも合わせてお読みください。
たわらノーロード全世界株式の運用戦略
たわらノーロードってどんな投資信託?
世の中には多種多様な投資信託がありますが、その中でも人気があるのがたわらノーロードシリーズです。
ノーロードとは購入時手数料が無料であることを意味しています。
なので手数料がかからずに購入できるので、資産運用を始めやすいファンドとなっています。
たわらノーロードシリーズは30本以上もある充実したラインナップとなっています。
これらはそれぞれがそれぞれの国や商品の代表的な株価指数に連動するインデックスファンドとなっています。
なのでこの中から投資したい国や資産クラスを選んで投資する形となります。
特長としては手数料が安く、なおかつ指数に投資するので分散投資ができます。マーケット全体が上昇すれば利益が出て下落すれば損失が発生するという資産運用となります。
たわらノーロード全世界株式はどんなファンド?
それでは、たわらノーロード全世界株式はどのような資産運用を行うファンドなのでしょうか。
もう名前から明らかですが、全世界の株式に投資します。
もう少し詳しく言うと、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するように運用されます。
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」は米国MSCI社が提供する外国株式インデックスで先進国23か国、新興国24か国、2888もの銘柄に投資します。
MSCIコクサイと異なり日本も含んでいるのが特徴です。
出典:日興アセットマネジメント
全世界といっても60%を米国が占めており、米国主体とはなっています。次いで、日本、英国と続きます。
業種としては、やはり情報技術が最も大きいですね。
こちらのインデックスは時価総額加重平均で算出するため、このような時価総額の大きい米国の大型株が中心の構成となってきます。
たわらノーロード全世界株式はNISAで運用できる?
続いて、たわらノーロード全世界株式のNISA対応についても確認しておきましょう。
NISAは少額投資非課税制度のことで税金を払わずに資産運用することができます。
NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」がありますが、たわらノーロード全世界株式は両方に対応しています。
販売会社によってどの枠に対応しているのかは異なるのですが、例えば三菱UFJ銀行では成長枠での投資が可能です。
出典:三菱UFJ銀行
それぞれ年間の投資枠が決まっており、生涯で合計1800万円となっています。
合計:1800万円(成長投資枠1200万円、つみたて投資枠600万円)
成長投資枠:240万円/年間
つみたて投資枠:120万円/年間
この限度額内であればNISAは課税されない有効な運用手法であるといえます。ただ損益通算ができない点は注意してください。
たわらノーロード全世界株式の掲示板での評価や評判は?
それでは、たわらノーロード全世界株式の評判・評価はどうなっているでしょうか。
掲示板の口コミをチェックしてみましょう。
出典:Yahooファイナンス
基準価格が上昇していて嬉しい!という口コミが続いていますね。
長期かつ積立での投資を考えている人が多いようです
出典:Yahooファイナンス
基準価格が下落しているようですが、下落しているからといって安易に売らずに長期投資で考えようというコメントですね。
多少下落したところで、一時的な下落は気にせず長期で保有し続ければ大丈夫でしょう、といった安心感がうかがえます。
出典:Yahooファイナンス
こちらは手数料に関する口コミですね。インデックスファンドでは目標とする株価指数が決まっていますので基本的にどの投資信託を選んでも運用内容は同じです。
あとは手数料勝負となってくるのですが、たわらノーロード全世界株式より安い投資信託があるんだからそっちで運用すればいいじゃん、という口コミです。
手数料についてはこれから他ファンドと比較してチェックしていきましょう。
ただ、基本的にはポジティブな口コミが多くたわらノーロード全世界株式の評判は上々だと言えます。
たわらノーロード全世界株式の手数料とは
では、手数料を比較していきます。
たわらノーロード全世界株式と同様のインデックスファンドを比べてみましょう。
eMAXIS slim 全世界株式(オールカントリー) | Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス (全世界株式) |
たわらノーロード全世界株式 | |
購入時手数料 | なし | なし | なし |
信託報酬(実質) | 年率0.05775% | 年率0.05775% | 年率0.1133% |
解約手数料 | なし | なし | なし |
購入時手数料と解約手数料はどのファンドもかかりません。
しかしながら、他2つが年率0.05775%なのに対して、たわらノーロード全世界株式だけ0.1133%と約2倍の手数料となっています。
手数料が高いからここを選ぶ意味が分からないという掲示板の口コミは正にその通りだと言えるでしょう。
たわらノーロード全世界株式の投資先を分析
それではたわらノーロード全世界株式の具体的な投資先についても確認しておきましょう。
組入れ銘柄の比率はこちらです。
出典:交付目論見書
それぞれのファンドの投資先上位5銘柄を見てみましょう。
「外国株式パッシブ・ファンド・マザーファンド」
銘柄名 | 国/地域 | 業種 | 比率 |
MICROSOFT CORP | アメリカ | ソフトウェア | 4.64% |
APPLE INC | アメリカ | コンピュータ・周辺機器 | 4.17% |
NVIDIA CORP | アメリカ | 半導体・半導体製造装置 | 3.54% |
AMAZON.COM INC | アメリカ | 大規模小売り | 2.75% |
ALPHABET INC-CL A | アメリカ | インタラクティブ・メディアおよびサービス | 1.61% |
「エマージング株式パッシブ・マザーファンド」
銘柄名 | 国/地域 | 業種 | 比率 |
TAIWAN SEMICONDUCTOR | 台湾 | 半導体・半導体製造装置 | 7.63% |
TENCENT HOLDINGS LTD | ケイマン諸島 | インタラクティブ・メディアおよびサービス | 3.73% |
SAMSUNG ELECTRONICS CO LTD | 韓国 | コンピュータ・周辺機器 | 3.38% |
ALIBABA GROUP HOLDING LTD | ケイマン諸島 | 大規模小売り | 1.96% |
RELIANCE INDUSTRIES LTD | インド | 石油・ガス・消耗燃料 | 1.36% |
「MSCIジャパン・インデックス・マザーファンド」
銘柄名 | 国/地域 | 業種 | 比率 |
トヨタ自動車 | 日本 | 輸送用機器 | 6.47% |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 日本 | 銀行業 | 2.94% |
ソニーグループ | 日本 | 電気機器 | 2.80% |
東京エレクトロン | 日本 | 電気機器 | 2.75% |
日立製作所 | 日本 | 電気機器 | 2.29% |
マイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾン、アルファベット(グーグル)といった誰もが知る説明不要の大企業が並んでいますね。
アメリカ以外もテンセントやサムスン、トヨタ自動車など各国を代表する企業が投資先です。
このようにアメリカの大企業を中心として世界各国の超大企業に投資するのが、たわらノーロード全世界株式の運用内容となっています。
たわらノーロード全世界株式の利回りとは
気になる運用成績とは
では、このような運用を続けた結果、運用成績はどうなっているのでしょうか。
設定来の運用成績を見てみましょう。
出典:月次運用レポート
コロナショックで一時下落しましたが、その後は順調に右肩上がりで成長していることが分かります。
2倍以上に成長しており、パフォーマンスは良さそうですね。ただこれだけでは判断できない部分もあるので他のインデックスとも比較してみましょう。
S&P500やTOPIXと比較する
投資対象の国別構成比は、米国が1位、日本が2位となっています。そこで、米国と日本の代表的な株価指数であるS&P500とTOPIXと比較してみましょう。
結果はこちらです。
- たわらノーロード全世界株式:57.36%
- S&P500:73.61%
- TOPIX:39.19%
S&P500の方が1.3倍近くも良い運用成績をおさめていますね。
たわらノーロード全世界株式の運用成績も悪くはないのですが、日本や他の国に投資した分、足を引っ張られてしまっていますね。
S&P500ではなく全世界株式に投資する意味としては、より広範に投資してリスクを下げるという意図だと思いますが、上記のグラフを見るとS&P500が下落する時たわらノーロード全世界株式も下がっています。
さらに、米国以外の投資先では新興国も多く含まれており、それらの国の為替リスクも負うことになります。
全世界株式にすることでより運用が安定するかは疑問であり、上昇時にはリターンの幅を狭めてしまうことになるので中途半端な運用戦略だと思います。
たわらノーロード全世界株式は今後どうなる?
さぁ、それでは最後にたわらノーロード全世界株式の将来性についても考えておきましょう。
米国株式はこれまで順調に株価が上昇し過ぎてしまっていて割高水準となっています。さらに、金利も高い水準でハイテク株は成長しづらい状況となっています。
たわらノーロード全世界株式も米国株中心である以上、これらの影響を受けるでしょう。
しかしながら、投資先が何しろ世界中の2800銘柄ですから、検討が難しい部分も多いですね。
何となく世界的に見れば今後も株式市場は右肩上がりで成長していくはずだという根拠で投資することになると思います。
悪くはないですがベストとは言えないでしょう。
インデックスファンドも悪くはないですが、もっと明確な運用戦略をもって独自のスタイルで資産運用していくファンドは数多くあります。
その運用戦略が有効かどうかの見極めは必要ですが、こういったファンドの方がリターンを期待できるのではないでしょうか。
個人的に研究して良いと思ったファンドは下記のランキングで紹介していますので、投資先をお探しの方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。