SOXLで大きく儲けた人の話もありますが、実際のところ投資価値はあるのでしょうか?
SOXLの構成銘柄や特徴、評判を踏まえて分析していきます。SOXLへの投資を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
また、その他のファンドについても個別に解説していますので良ければそちらもご一読ください。
SOXLの特徴とは
どんな人に人気?SOXLとは
SOXLとは、ICE Semiconductor Index (ICE 半導体インデックス)の3倍の動きとなるように運用されるレバレッジ型の米国ETFです。
ちなみに元々はSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)をベンチマークにしていましたが、2021年8月に変更されました。似た指数ですが、ICE半導体指数では浮動株比率も考慮して計算されています。
ICE Semiconductor Index (ICE 半導体インデックス)は名前の通り、米国の半導体企業を中心に構成されるインデックスです。
つまり、米国の半導体企業に投資したい人、なおかつレバレッジをかけてハイリスクハイリターンの投資を望む人に選ばれています。
SOXLの運用会社とは?
SOXLの正式名称は「Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares(Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF)」となっています。
Direxion社が運用しており、SOXLのようなブル型(指数が上昇するとリターンが出る)商品だけではなく、ベア型(指数が下落するとリターンが出る)の商品も多く取り扱っています。
出典:ザイ・オンライン
今回はブル型のSOXLについて解説していきます。
SOXLの掲示板での評判は良い?悪い?
それでは、まずSOXLの評判からチェックしていきましょう。実際に投資している人の口コミが見れるYahoo掲示板を確認してみます。
次のような口コミが見られました。
出典:Yahooファイナンス
半導体に集中して投資していますので、半導体業界全体の見通しを考えてあわてる必要はないとのコメントです。
続いてこんな口コミもありました。
出典:Yahooファイナンス
至近は状況があまりよくないけれども、長期で見れば半導体業界は上がっていくだろうとの見込みですね。
このような長期の動向を踏まえての口コミも散見されました。
しかし、個人的にはSOXLの長期保有は強くおすすめしないです。
その理由を解説していきます。
SOXLが長期保有に向かない理由とは
SOXLはレバレッジ型のETFです。SOXLに限らず、レバレッジ型のETFは長期保有に向いていません。
なぜならベンチマークとなる指数が横ばいだったとしても資産が減り続ける可能性があるからです。
こちらの図を見てください。
出典:交付目論見書
これは、同じレバレッジ型ETF「楽天日本株4.3倍ブル」から引用したものです。
ベンチマークとなる指数は4日間の運用を経て100に戻っています。しかしながら、ETFは73.4と大きくベンチマークを下回っています。
これは一度マイナスになってしまうとレバレッジをかけている分、大きく原資が減少してしまうため、上昇に転じたとしても当初の水準を回復できない状況になってしまうのです。
指数が上昇する日しかなければ、レバレッジにより資産は大いに増えていきます。しかし、長期で見てそんなことはあり得ません。
レバレッジ型に投資するなら、短期取引をベースとするのが現実的なのです。間違っても長期保有で運用してはいけません。
SOXLの手数料は高い?安い?
続いて、SOXLの手数料はどうなっているでしょうか。
目論見書はこちらです。
出典:目論見書
年間の経費率は0.94%となっていますね。
一般的な投資信託と比べるとやや安い水準ですが、ETFと比べると高い水準となっています。
SOXLの手数料は決して安くないと言えそうです。
SOXLの構成銘柄は
半導体関連の銘柄に投資していることはわかりましたが、実際にはどんな企業に投資しているのでしょうか。
SOXLの構成銘柄、上位10銘柄をチェックしていきましょう。
No. | 銘柄名 | 比率 |
1 | ブロードコム | 6.39% |
2 | アドバンスド・マイクロ・デバイシズ | 6.31% |
3 | エヌビディア | 5.82% |
4 | インテル | 5.13% |
5 | テキサス・インスツルメンツ | 4.75% |
6 | ザイリンクス | 3.40% |
7 | マイクロン・テクノロジー | 3.28% |
8 | クアルコム | 3.28% |
9 | KLAテンコール | 3.26% |
10 | マイクロチップ・テクノロジー | 3.17% |
ブロードコム(Broadcom Inc.)は、米国の半導体およびソフトウェア開発会社です。
幅広い産業分野で使用されるさまざまな半導体製品を製造し、通信、ネットワーキング、ストレージ、ワイヤレス通信、ビデオ、オートモーティブ、およびその他の分野で高度な技術を提供しています。
アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(Advanced Micro Devices、AMD)は、米国の半導体製造会社で、主にマイクロプロセッサ(CPU)やグラフィックスプロセッサ(GPU)を開発・製造しています。
コンピューター、サーバー、ゲームコンソール、グラフィックスカード、エンタープライズソリューションなど、幅広い情報技術製品向けに半導体を供給しており、競合相手であるインテルに対抗しています。
エヌビディア(NVIDIA Corporation)は、米国の半導体およびグラフィックスプロセッサ(GPU)の開発会社です。GPUの設計、開発、販売に焦点を当て、高性能なグラフィックス処理および計算処理を提供することに特化しています。
多くの分野で利用されており、特にゲーム、ディープラーニング、自動運転、クラウドコンピューティング、仮想現実などの分野で影響力が大きい企業の1つです。
SOXLの運用成績は実際どう?
運用成績の推移
それでは、こういった企業に投資してきた結果、SOXLの運用成績はどうなっているのでしょうか。
3か月 | 1年 | 5年 | 設定来 | |
リターン | -47.43% | 69.26% | 17.95% | 26.29% |
出典:Direxion
3か月で見ると-47%と大きくマイナスですが、1年で見ると69%と大きくプラスです。
これを見ただけでも値動きの大きさがとんでもないですね。普通のファンドならあり得ないレベルのハイリスクとなっています。
ベンチマークとの比較
また、設定来で見ると26.29%のプラスとなっており、運用開始されたのは2010年3月11日です。
2021年までベンチマークとされていたSOX指数のこの間の推移を見てみましょう。
出典:TradingView
ざっくりとですが、10倍ほどに成長しており、急成長していることがわかります。
一方で、SOXLのリターンはわずか26.29%でした。長期で見ると、リターンは指数に連動しないと考えてよいでしょう。
つまり、SOXLは超短期で売買するギャンブルしたい人向けのETFなのです。さらに米国ETFなので為替リスクもありますね。
他にも良い投資先はたくさんあります。個人的に研究した結果、おすすめのファンドは下記ランキングにまとめていますので、投資先をお探しの方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。