つみたて先進国株式は有名な投資信託ですので、ゆうちょ銀行などの金融機関からおすすめされることも多いかと思います。
つみたて先進国株式はどんな投資信託で、実際投資すべき儲かる金融商品なのでしょうか?それとも、やめたほうが良い商品なのでしょうか?
運用内容はもちろん、評判や口コミも含めて分析して解説していきます。
つみたて先進国株式での運用を検討している方は本記事の内容を参考にしていただければと思います。
また、別記事でも投資信託について解説していますのでよければそちらもあわせてお読みください。
つみたて先進国株式はどんな運用戦略?
まずはつみたて先進国株式がどんな投資信託なのかから見ていきましょう。
つみたて先進国株式は「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するように運用されるインデックスファンドです。
「MSCIコクサイ・インデックス」とは日本を除く先進国の株式市場の動きを表す代表的なインデックスです。
具体的には以下のような国々に投資しています。
出典:交付目論見書
アメリカを中心として22か国に投資しており、主要な先進国をカバーしています。投資先銘柄数も1200程度と多岐にわたっており分散投資されています。
つみたて先進国株式は新NISA運用できる?
続いてつみたて先進国株式は新NISAで運用できるのでしょうか。
応えはYesです。新NISAの「成長投資枠」「つみたて投資枠」ともに対象です。
むしろ新NISAでの運用が人気を集めており、例えばゆうちょ銀行では初心者が選んだファンドランキング第3位にランクインしています。
出典:ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行でのつみたて先進国株式の評判の良さがうかがえますが、実際に投資している人の口コミはどうでしょうか。
掲示板での評判も確認していきましょう。
つみたて先進国株式の掲示板での口コミや評判はどう?
実際の投資家の口コミは色々な掲示板で見れますが、今回はYahoo掲示板をのぞいてみましょう。
出典:Yahooファイナンス
運用成績があまり振るわないようですが、年末までには回復するのではという口コミですね。
あくまでインデックス投資ですし長い目で見る必要があるというコメントでしょう。
続いての口コミはこちらです。
出典:Yahooファイナンス
日本株を除いた先進国に投資しているはずなのにわざわざ日本株が下がるタイミングで下がらなくていいという口コミですね。
投資家の意図としては、日本株とは別の動きを期待できる分散投資先としてこちらを選んだのに、同じタイミングで下がったら意味ないじゃん!という事です。
確かにそういう気持ちになってしまいそうです。
色々なコメントが見られましたが、全体的には長期的に成長していくことを期待するポジティブな口コミが多く見られました。
つみたて先進国株式の評判は悪くないと言えそうです。
つみたて先進国株式の手数料とは
続いて手数料についても比較しておきましょう。
インデックスファンドの場合、手数料はとっても重要な要素です。なぜなら、どの投資信託を選んでも基本的に運用内容は同じなので手数料を安い所を選ぶべきだからです。
つみたて先進国株式と同様、MSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとする投資信託を比較してみましょう。
たわらノーロード先進国株式 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | つみたて先進国株式 | |
購入時手数料 | なし | なし | なし |
信託報酬(実質) | 年率0.12% | 年率0.12% | 年率0.24% |
解約手数料 | なし | なし | なし |
購入時手数料と解約手数料に差はありませんが、なんとつみたて先進国株式の信託報酬が2倍になっていることが分かりますね。
つまり、つみたて先進国株式の手数料は高く、インデックスファンドである以上選ぶ理由はあまりないと言えます。
つみたて先進国株式の投資先銘柄を分析
インデックスファンドでありながら手数料が高い以上、魅力は薄いのですが、念のため引き続き投資銘柄についても見ていきましょう。
投資先の上位10銘柄はこのようになっています。
2024年8月30日時点
銘柄 | 国 | 比率 |
APPLE INC | アメリカ | 5.1% |
NVIDIA CORP | アメリカ | 4.4% |
MICROSOFT CORP | アメリカ | 4.4% |
AMAZON.COM INC | アメリカ | 2.4% |
ALPHABET INC-CL A | アメリカ | 1.9% |
META PLATFORMS INC- CLASS A | アメリカ | 1.7% |
ELI LILLY & CO | アメリカ | 1.1% |
BROADCOM INC | アメリカ | 1.0% |
JPMORGAN CHASE & CO | アメリカ | 1.0% |
BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B | アメリカ | 0.9% |
投資銘柄数:1226銘柄
時価総額が大きい企業の投資割合が大きくなりますので、上位10銘柄は全てアメリカ企業が占めています。
出典:月次レポート
投資先の国別の割合で見てもアメリカが70%以上を占めています。
つみたて先進国株式は、あくまでアメリカを中心にその他の先進国にもチョロチョロと投資を行っていく投資信託となっています。
つみたて先進国株式の気になる運用成績とは
これまでの運用成績はどう
それでは、このような運用を行った結果、これまでの運用成績はどうなっているのでしょうか。
まずは設定来の運用成績を見てみましょう。
出典:月次レポート
2017年に設定されてから右肩上がりで成長していることが分かります。特にコロナショック後の上昇が素晴らしいですね。
ですが、この時期は株式市場が全体的に良かった時期です。
他の代表的な株価指標とも比較してみましょう。
アメリカのマーケットと比較してみる
つみたて先進国株式はアメリカを中心として投資していますので、米国の代表的な株価指数であるS&P500と比較してみます。
同じ「つみたて~」シリーズの「つみたて米国株式(S&P500)」と比べてみます。
- つみたて先進国株式 67.1%
- つみたて米国株式(S&P500) 75.86%
つみたて先進国株式はアメリカ株を中心としていますがそれよりも多くの国に分散投資していますので、期待されることとしては米国株が下がった際のリスクヘッジだと思います。
ですが上のチャートを見る限り、米国株式が下がったタイミングで同様に下落しています。
さらにリターン面を見ると、つみたて先進国株式よりもつみたて米国株式の方が良いパフォーマンスを残していることが分かります。
リスクヘッジにもならずリターンも低いとなれば、素直に米国株式を選んだほうが良さそうです。
まとめ
という訳でつみたて先進国株式についてまとめておきましょう。
- つみたて先進国株式は「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するインデックスファンド
- 日本を除くアメリカを中心とした先進国に投資する
- S&P500などの米国株インデックスの方がパフォーマンスが良い
- 先進国株式は運用戦略として中途半端
- つみたて先進国株式は同種の投信の中でも手数料が高い
日本を除く先進国株式に投資するという運用戦略がそもそも中途半端で微妙ですが、つみたて先進国株式はその中でも手数料が高いのでいよいよ選ぶ理由がないと言えるでしょう。
つみたて先進国株式はおすすめしないです。
個人的に調査しておすすめしたいファンドは下記のランキングでまとめていますので投資先をお探しの方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。