定年の年齢はだんだんと引き上げられていますが、出来れば定年より早く退職したいというのも一つの考え方ですよね。
本記事では58歳で退職するデメリットについて解説していきます。
65歳まで働くのはしんどい、定年より少しでも早く退職したいと考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
また別記事でも退職について解説していますのでよければそちらも合わせてお読みください。
58歳で退職するデメリット3選
早速58歳で退職するデメリットを見ていきましょう。
主なデメリットはこちらの3つです。
- 退職金が少なくなる
- 年金が少なくなる
- 社会とのつながりが無くなる
退職金が少なくなる
まず一つ目のデメリットは退職金が少なることです。退職金の額は勤続年数によって変わってきますので、年数が少なくなればもらえる退職金も少なくなります。
参考までに大企業における勤続年数ごとの退職金の比較図を確認しておきましょう。
出典:はぐくみ企業年金ナビ
勤続年数が30年を超えると大体1年あたり70-100万円程度増えていく感じですね。つまり、58歳でやめると退職金は150~200万円ほど少なくなりそうです。
もちろん細かな条件は会社によって異なりますので個別にチェックする必要があります。
年金が少なくなる
続いてのデメリットは貰える年金が少なくなることです。
定年よりも会社を早く辞めれば、当然そのぶん年金の積立額が減ります。
一体いくら減るのでしょうか。まずは老齢基礎年金(国民年金)の部分から見ていきましょう。
老齢基礎年金(国民年金)の基本的な受給額の計算式はこちらです。
出典:老齢年金ガイド
特に免除等なく保険料を納付してきた場合で考えると、2年/40年 = 5%分減少することになります。
つまり、58歳で退職すると40,800円、基礎年金が減ることになります。
続いて、厚生年金について見ていきましょう。厚生年金がいくらもらえるかは収入によって変わってきます。
出典:ウェルスハック
平均給与が月額60万円の人で考えると166.15万円の5%は8.3万円です。先ほどの基礎年金と合わせると12.3万円です
平均給与が60万円よりずっと多くても、年金計算上の等級は月額63.5万円(年収762万円)以上が最高の32等級となります。
ですので概ね先ほどの例で考えて問題ないでしょう。
つまり、会社勤めをしていて58歳で退職すると厚生年金は年間12万円ほど減ることになります。
また、ここまで見てきた国民年金や厚生年金といった公的年金とは別に企業年金などの私的年金をやっている方は、そちらの条件もチェックする必要があります。
社会とのつながりが無くなる
ここまではお金の話について見てきましたが、精神的なデメリットについても見ていきましょう。
それは、社会とのつながりが無くなることです。
こういうのはよくあるケースです。
会社勤めをしているときは嫌で仕方なかったはずが、いざ人付き合いがゼロになると誰か外の人と話したくなるものです。
意外なデメリットの一つとして認識しておくといいでしょう。
早期退職のメリット
では逆に早期退職のメリットは何があるでしょうか。
順番に見ていきましょう。
割り増しでの早期退職
タイミングによっては会社が早期退職を奨励している場合があります。
「通常なら2000万円の退職金が倍の4000万円貰える。」
こんなこともあるわけですね。会社にとってみればその後、数年間の給料を払うよりも安いですから退職金を多く払ってでも辞めてもらいたいのです。
早期退職を考えているならこの割り増し期間はチャンスとなります。
時間が自由になる
当然ですが早く辞めたらその分だけ自由に使える時間が増えます。
58歳でやめたら60歳でやめる人よりも2年間多く使えるわけです。
このように会社勤めをしながらでは難しい夢がある人は思い切ってやめてみるのも一つの方法ですね。
健康なうちに自由が手に入る
そして早期退職だからこそのメリットは健康な50代のうちに時間が自由になることです。
最近は医学も進んでいますし60代でも70代でも皆さん元気ですよね!
平均寿命も男女ともに80代と伸びていますが健康寿命となると話はちょっと変わります。
出典:大正製薬
こちらの図のように健康寿命は男性で72歳、女性で74歳となっています。
仮に65歳まで働いたとすると男性ではわずか7年しかありません。
58歳で退職すれば14年あることになりますね。健康を意識して退職のタイミングを考えるのも一つ重要な考え方だと言えるでしょう。
老後の生活にはいくら必要なのか
毎月いくら必要?
さて、ここまで見てきて58歳で退職するデメリットやメリットについて見てきましたが、いったいいくらあれば58歳での早期退職が可能なのでしょうか。
老後の生活にいくらかかるか見てきましょう。
もちろん住んでいる都市や家族構成、住居の状況によって全く異なるのでベストはこれまで自分が毎月いくら使っているかを調べることです。
ここではあくまで参考として総務省の出しているデータを見てみましょう。
2人以上(勤労世帯) | 43万7,368円 |
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2人以上(無職世帯) | 27万4,007円 |
総務省統計局「家計調査 家計収支編(年次間) 2022年」より
それぞれ勤労世帯と無職世帯でそれぞれ43万円、27万円となっています。
少し安全を見るなら、仕事を引退された方で月30万円、働いているときの生活水準を維持するのであれば月50万円あれば大丈夫そうです。
年間にすると360万円~600万円ですね。
そう思うかもしれませんが、仕事をやめると自由に使える時間も増えるので、使うお金も増えてしまったという方もいるので注意してください。
老後の人生でいくら必要?
さて、では残りの人生でいくら必要になるか考えてみましょう。
健康寿命を男性平均と女性平均の間の73歳とし、亡くなるタイミングも間の84歳とします。
58歳から72歳までは健康ですから月50万円、73歳から83歳までは行動力も落ちてくるので月30万円とします。
【支出】
58-72歳 | 9,000万円 |
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73-83歳 | 3,960万円 |
合計 | 1億2,960万円 |
もらえる年金は58歳でやめているので先ほどの計算(年収720万円の例)でいくと
77.5万円 + 157.8万円= 235.3万円
です。
【収入】
退職金 | 2,000万円 |
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年金65-83歳 | 4,470万円 |
合計 | 6,470万円 |
足りないお金は6,490万円となります。
58歳での早期退職を実現するには
さて、では58歳での早期退職を実現するにはどうすればいいのでしょうか。
この足りないお金6,490万円を自分で補わなければなりません。
貯金が6,490万円あれば何も気にせず58歳で退職しても大丈夫ですね!
そうでないという方は、これを自分で補わなければなりません。
- 58歳で退職はしても週2-3嘱託社員として働く
- 資産運用でお金を増やす
このような対応が必要になってくるでしょう。
今手元に貯金が3,000万円ほどあれば年利5%の運用でも14年ほどで2倍の6000万円に増やすことができます。
おすすめの資産運用については別の記事や下のファンドランキングでも解説していますので気になる方はそちらもチェックしてみて下さい。