投資信託

ゼウス投信のメリット・デメリットを解説!大損するとの評判は本当か?今後の見通しとは(新光 US-REIT オープン)

投資信託はお手軽に買える金融商品の一つです。

 

これから資産運用を始める方には、まず投資信託から始めようとお考えの方も多いのではないでしょうか。

 

今回は新光 US-REIT オープン(愛称:ゼウス投信)を取り上げて解説していきます。

 

ゼウス投信のメリット・デメリットや今後の見通しについて知りたい方はぜひお役立ていただければ幸いです。

 

また、個別投信については別記事でも解説していますのでよければそちらも合わせてご一読ください。

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ゼウス投信の特徴とは

投資コンセプト

それでは、まずゼウス投信がどんな投資信託なのかから見ていきましょう。

 

ゼウス投信は愛称で正式名称は「新光US-REIT オープン」です。名前を見ればわかる通り米国のREITに投資する投資信託となっています。

 

REITってよく分からないんだけど何のこと??

 

REITは「Real Estate Investment Trust」の略で不動産で運用を行います。例えばオフィスビル、商業施設、賃貸住宅などです。

 

ですので、REITとは不動産を投資対象とした投資信託だと思ってもらえれば大丈夫です。

 

つまり、ゼウス投信に投資するということは、米国の不動産に投資することになるのです。

 

ゼウス投信を運用しているのは誰?

ゼウス投信の委託会社(=運用を行う会社)を確認すると、アセットマネジメントOne株式会社となっています。

 

しかし、交付目論見書を見ると「US-REITの運用にあたっては、インベスコ・アドバイザーズ・インクに運用の指図に関する権限を委託します。」とあります。

 

実際にはこのインベスコ・アドバイザーズ・インクが運用を行う訳ですね。

 

インベスコ・アドバイザーズ・インク

米国テキサス州ダラスを拠点とする運用会社。1兆4160億ドルの運用資産を有する世界的な運用会社インベスコ・リミテッドの一員。1983年より運用を開始。

 

歴史ある米国の運用会社が実質的な運用を担っているので安心感がありますね。

 

ゼウス投信の投資先上位10銘柄

それでは、インベスコ・アドバイザーズ・インクが運用を行った結果、実際にどんな所に投資しているのか見てみましょう。

 

ゼウス投信の投資先上位10銘柄はこちらです。

 

(2022年12月5日時点)

銘柄名 業種 比率 概要
1 プロロジス 産業施設 9.2% 物流施設等を提供する米国最大の産業施設REIT
2 クラウン・キャッスル インフラストラクチャー 6.3% 主に米国内で無線通信基地局用の鉄塔等を保有するインフラストラクチャーREIT
3 デジタル・リアルティ・トラスト データセンター 5.6% テクノロジー関連の不動産を手掛けるREIT
4 VICIプロパティーズ 特殊施設 5.3% ラスベガスを代表としてカジノ移設を保有するゲーミングREIT
5 アメリカン・タワー インフラストラクチャー 5.3% 米国内外で無線通信基地局用の鉄塔等を保有するインストラクチャーREIT
6 SBAコミュニケーションズ インフラストラクチャー 5.2% 主に携帯電話会社の基地局向けにスペースを提供するインフラストラクチャーREIT
7 リアルティ・インカム 商業・小り 5.0% 安定賃料収入を見込んで小売施設を買収・保有する商業・小売REIT
8 インビテーション・ホームズ 住居 4.6% 戸建賃貸住宅を保有・運営する住居REIT
9 サン・コミュニティーズ 住居 4.1% コミュニティ住宅を運営する簡易型住宅REIT
10 ヘルスピーク・プロパティーズ 医療施設 3.9% ヘルスケア関連の不動産に投資するREIT

 

一言でREITといってもその種類は様々あります。

 

イメージしやすい住居や商業施設へ投資するREITから無線通信基地局用の鉄塔などインフラ設備に投資するREITまで多岐にわたっています。

 

こういった投資を行った結果、世間の評判はどうなっているか確認してみましょう。

 

ゼウス投信の掲示板で評判は?

ゼウス投信の口コミを確認するにはyahoo掲示板が簡単です。実際に投資している人の感想を確認することができます。

 

出典:Yahooファイナンス

 

この方は20年近くやっていてプラスになっているようですね。

 

ですが、「タコ足商品」など気になるワードも出てきていますね。こちらは後でゼウス投信のメリット・デメリットの章で解説していきます。

 

また、中には批判的な意見も見られました。

 

出典:Yahooファイナンス

 

これだけ基準価格が下がるのは普通の投信ならあまりないですが、高配当型ゆえの推移と言えるでしょう。

 

もちろん分配金が出ているので基準価格の推移だけではリターンを判断できません。こちらも後ほど確認していきます。

 

ゼウス投信の手数料は高い?

続いて、ゼウス投信の手数料も見ておきましょう。

 

ゼウス投信はマーケットを上回る成績を目指すアクティブ投信ですので、同じようにアクティブ型の投資信託と比較してみます。

 

ひふみ投信 アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 ゼウス投信(新光US-REITオープン)
購入時手数料 なし 3.3% 3.3%
信託報酬(実質) 年率1.0780% 年率1.727% 年率1.683%
解約手数料 なし なし 0.1%

 

ゼウス投信の購入時手数料は3.3%、信託報酬は年率1.683%、解約手数料は0.1%となっています。

 

飛び抜けて高い訳ではありませんが、安い訳でもないですね。ひふみ投信と比較するとかなり高くなっていますね。

 

まとめると、アクティブ型の投資信託として逸脱した水準ではないですが、総じて手数料は高いと言えます。

 

ゼウス投信のメリット

では、いよいよゼウス投信のメリット・デメリットについて見ていきましょう。まずはメリットからです。

 

小額から不動産投資できる

一つ目のメリットは小額から投資出来ることです。

 

通常の不動産投資であれば、安くても500万円程度は必要ですが、ゼウス投信は投資信託ですので1万円程度から購入することができます。

 

手元にまとまったお金がなくても投資できるのは大きな魅力です。

 

米国の不動産に簡単に投資できる

また、ゼウス投信は米国のREITに投資しますので、米国の不動産に簡単に投資することができます。

 

直接、米国の不動産を買おうと思ったらとてつもない労力がかかりますのでその手間を省けるのは大きなメリットです。

 

不動産投資にも関わらず流動性が高い

さらに、不動産投資の大きな課題として流動性の低さがあります。ものが高価なだけに売ろうと思ってすぐに売れるものではないのです。

 

例えば自宅マンションを売りに出してから何か月~何年もうれず現金化できないというのは良くある話です。

 

しかし、ゼウス投信は投資信託ですので、すぐ売却でき資産を現金化できるのが大きな魅力の一つです。

 

ゼウス投信のデメリット

続いてデメリットを見ていきましょう。

 

為替リスクがある

まず一つ目のリスクは為替リスクです。

 

米国のREITに投資しますので資産は米ドル建てとなり、円高に推移すれば資産が減少します。

 

為替の推移は予測できず基本的に対策は何も取れないので、大きなデメリットとなります。

 

高配当型の投資信託

続いて、ゼウス投信で大きなデメリットとなっているのが、高配当型の投資信託であることです。

 

いわゆるタコ足配当とも呼ばれますが、ゼウス投信は配当額が大きすぎて投信の収益を上回って配当をする事があります。

 

つまり、元本から配当を出すということです。

 

出典:交付目論見書

 

こちらの図で元本払戻金(特別分配金)となっている部分です。

 

配当金を出すと「複利の効果」を得られません。これは運用効率に著しい悪影響を与えます。

 

管理人 武田
管理人 武田
高額な配当金を出すと資産運用の効率が劇的に悪くなってしまいます。ほとんどリターンが見込めないレベルになりますので、高額配当型の投資信託を選ぶのはタブーだと言われています。

 

手数料払って貯金している!?

さらに、元本の払い戻しを突き詰めて考えてみましょう。

 

投信にお金を入れて元本が返ってくる状況は、一見プラスにならずとも損はしていないように見えます。ですが実際は投信に預けているお金に対して信託報酬がかかります。

 

つまり、手数料を払って貯金しているような状況になってしまうのです。

 

ゼウス投信の仕組みを見ると、ハイリターンを出すのはかなり難しいように見えます。では、実際にこれまでの運用成績はどうだったのか確認していきましょう。

 

ゼウス投信の運用成績は良い?悪い?

設定来の運用成績とは

まず、ゼウス投信の設定来の運用成績を見てみましょう。

 

ゼウス投信の運用成績

出典:月次レポート

 

青い戦は分配金を再投資した場合の基準価格です。分配金には税金がかかりますし、複利の効果は失われていますので、こちらは実際には実現しないリターンです。参考程度に見てもらえればと思います。

 

実際の基準価格は赤い線となっています。2004年に1万円でスタートしてから今は2000円を下回るほど大きく下落していることが分かりますね。

 

これだけだと、とてつもない下落っぷりです。ゼウス投信は高配当型の投資信託ですので配当金も合わせて考えてみましょう。

 

分配金も考慮したリターンとは

これまでの分配金実績はこちらです。

 

 

ゼウス投信の基準価格と分配金

出典:月次レポート

 

仮に1万円で資産運用を始めたとしましょう。基準価格は1982円まで下落してる一方で、分配金は12,148円受け取っています。

 

つまり、1万円が約18年で14,130円になっているわけですね。

 

18年で+41%ですから、年間に直すと約1.9%です。

 

S&Pが同期間で3.5倍程度、年利7.2%を記録していることを踏まえると、残念ながらゼウス投信の利回りは、かなり悪いと言えるでしょう。

 

ゼウス投信の今後の見通しはどうなる?

それでは、ゼウス投信の今後はどうなるでしょうか?

 

ゼウス投信は不動産に投資しますので、不動産価格の見通しを考える必要があります。

 

米国は今インフレに悩まされており、インフレを抑えるために金利が引き上げられています。

 

金利が上がるとローンを借りにくくなり、不動産を購入する人が減ります。すなわち、今後の不動産価格は下落すると考えられます。

 

インフレが落ちついて金利が下がるまで、しばらくはゼウス投信にとって厳しい環境が続きそうです。

 

まとめ

それでは、ゼウス投信についてまとめてみます。

 

  • ゼウス投信は米国のREITに投資する
  • 高配当型の投資信託のため構造上リターンを出しにくい
  • いわゆるタコ足配当への投資はタブーとされている
  • 手数料を払って貯金しているような状況も生まれてしまう
  • 実際に過去の運用成績は決して良いとは言えない
  • 米国はインフレ対策で金利を引き上げており今後の見通しも厳しい

 

わざわざゼウス投信を選ぶ意味はないと思います。

 

せっかく資産運用するなら他に良い投資先はたくさんあります。個人的に調査・分析をして良いと思うファンドは下のランキング記事でまとめています。

 

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